トップ > シルク・ホースクラブ募集馬の考察(2018年) > エクセレンス2の17(レクセランス)の配合分析と血統評価
エクセレンス2の2017の血統評価
- 父
- ディープインパクト
- 母
- エクセレンス2(6歳時)
- 母父
- Champs Elysees
- 5代内クロス
- Northern Dancer 5×5、Sir Ivor 5×5
- 性別
- 牡馬
- 生月日
- 3月16日
- 募集総額
- 8000万円
- 入厩予定
- 池添学(栗東)
- 測尺
- 体重 : 411kg
体高 : 154.5cm
胸囲 : 167cm
管囲 : 20cm
※ 測尺は 2018年7月上旬 現在の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。
エクセレンス2の17(レクセランス)の配合分析
エクセレンス2の17(レクセランス)は、父がディープインパクト、母がエクセレンス2、母父がアメリカやカナダで G1 を 3勝しているシャンゼリゼ(Champs Elysees)という血統です。
母エクセレンス2の産駒成績
- エクセランフィーユ(16 牝 Frankel)未出走
本馬は 2番仔であり、母エクセレンス2 の初仔のフランケル(Frankel)産駒エクセランフィーユは未出走。まだ産駒に関する傾向はほとんどわかっていません。
2代母 Xanadu Bliss についても情報不足です。JBIS サーチによれば、フランスでエクセレンス2 以外に 2頭の牡を産んでいますが、彼らの競走成績は芳しくなく、そしてどちらも去勢されています。
母エクセレンス2 自身はフランスで 2勝しており、アンプルダンス賞(G3)という重賞を勝っているほか、仏オークスや仏1000ギニーで 3着しています。
さて、半兄フランケル産駒の掲示板を見ると気になるのが、その馬体重についての書き込みです。
僕はサンデーサラブレッドクラブの会員ではないので 2次情報しか得られないのですが、今年 5月の書き込みによるとその時点で 425kg という軽さだったとのこと。
日本で走っているフランケル産駒はまだ少ないですが、調べたところでは、馬体重は平均よりも明らかに重いです。
また、個人的にはフランケル牝馬は早熟の傾向があると考えており、2月末生まれで現状それほど重くないことを見ると、初仔ということを差し引いても母エクセレンス2 は馬格があるほうではなかったことが伺えます。
その背景から、最初の相手にフランケルを選んだのかもしれません。
しかし 2年目にディープインパクトが付けられており、そこで生まれた本馬も、生まれ月と現状の測尺を考えるとあまり大きくはならないように予測されます。
ただ一方で、ディープ産駒は小さくても走るので、例外的に小さいという場合を除けば、ある程度の馬体重の軽さはマイナス材料にはならないとも考えています。
母父はダンシリの全弟
本馬の母父シャンゼリゼは、父デインヒル・母ハシリ(Hasili)ということで、ダンシリ(Dansili)の全弟にあたります。
ハシリは、なんと G1馬を 5頭も出した名牝。種牡馬が G1馬を 5頭出したと聞いたら「まあまあすごいね」という感じですが、繁殖牝馬が 5頭というのは「ちょっと何言ってるかわからない」レベルです。
シャンゼリゼも G1 を 3勝しており、種牡馬としてレイルリンク(凱旋門賞)やハービンジャーを輩出して活躍したものの、現役時代は G1 を勝てなかった全兄ダンシリより好成績を残しています。
ディープ×母父デインヒル系では、ミッキーアイル(マイルチャンピオンS)やサトノアレス(朝日フューチュリティ)、サトノアーサー(エプソムC)という重賞ウイナーが出ています。
ちなみに、関東募集馬のモシーンの17 とも似た血統構成ですね。
母父シャンゼリゼが勝った G1 は、いずれも芝2400 であり、ミオスタチン遺伝子型が T:T型と目されるディープとの配合となれば、自然と期待してしまうのがクラシックディスタンスでの重賞制覇です。
後躯のボリュームに欠けるが芯はある
シルクのカタログ「エクセレンス2の17」より、以下引用します。
鋭い眼差しから伝わる闘争心の強さにバランスの整った繊麗された馬体は、母父Danzig系に父との配合から新たな活躍馬の誕生を予見させます。
弾性に優れた筋肉と柔軟性に優れた各関節の造りは一級品であり、一瞬にして他馬を置き去りにする極限の走りを可能にしています。成長途上にしてこの出来映えを思えば、将来の展望が無限に広がる逸材です。
どうでも良い部分を突っ込んでおくと「繊麗された馬体
」ではなく、正しくは「繊麗な馬体」もしくは「洗練された馬体」でしょう。
先述のとおり現時点で馬格はあまりないですが、小さくもバランスが取れており、牡馬でありながら、全体的な雰囲気や背腰のライン、目つきなどには牝馬っぽさも感じます。
そのあたりが繊麗であると思わせるのでしょう。
細部を見ると、肘のクッキリとした筋肉や、馬格のわりにしっかりとした腕節や飛節が確認できるのも良いところ。
ただやはり、幅が短めのトモやスッキリとした臀、細めの脛など後躯全体がボリュームに欠けており、ディープ産駒とは言えもう少し力強さが欲しいとも思います。
歩様はリズム良い感じ。力強さは感じないものの、芯はしっかりしているし飛節も伸びており、窮屈な感じはしません。ただダイナミックさはなく、素軽いというよりはフワフワした印象も同時に受けます。
価格を考慮しても、個人的には関東のモシーンやピラミマのほうが好みです。
この記事の作成日は 2018年07月21日 です。