トップ > シルク・ホースクラブ募集馬の考察(2018年) > ポーレンの17(ポレンティア)の配合分析と血統評価
ポーレンの2017の血統評価
- 父
- ハーツクライ
- 母
- ポーレン(12歳時)
- 母父
- Orpen
- 5代内クロス
- Halo 3×5、Northern Dancer 5×5
- 性別
- 牝馬
- 生月日
- 4月24日
- 募集総額
- 2000万円
- 入厩予定
- 田中博康(美浦)
- 測尺
- 体重 : 416kg
体高 : 151cm
胸囲 : 172cm
管囲 : 19.7cm
※ 測尺は 2018年7月上旬 現在の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。
ポーレンの17(ポレンティア)の配合分析
ポーレンの17(ポレンティア)は、父がハーツクライ、母がアイルランド重賞勝ち馬のポーレン、母父がフランスのモルニ賞(G1) を勝ったオーペン(Orpen)という血統です。
母ポーレンの産駒成績
- ポーレンの2012(12 牡 Sea The Stars)不明
- トレジャーハンター(13 牡 ステイゴールド)4戦0勝
- ムーンライトナイト(15 牝 ステイゴールド)6戦1勝 現役
- シーザウェイクリア(16 牡 ジャスタウェイ)未出走
母ポーレンはアイルランドの馬で、パークエクスプレスS(G3) を勝っています。
繁殖入り初年度のシーザスターズ(Sea The Stars)産駒の情報は全くなし(亡くなってしまったのかもしれません)。14年産がいないのは、ダイワメジャーを付けたものの受胎しなかったようです。
本馬は 12歳時の産駒ですが、それまでの産駒が少なく母としての傾向はあまりつかめません。本馬の父ハーツクライの仔であるジャスタウェイが、先に交配されているのがおもしろいですね。
2代母 On Air はフランス産。仏や独で平地 3勝をあげているようですが、詳細情報はありません。重賞はおそらく勝っていないと思われます。
代表産駒はポーレンと、アイルランド産の Berenson で、後者はアイルランドナショナルS(G1) で 2着になっています。それ以外の産駒はあまり褒められた戦績をあげていません。
母父オーペンは、日本ではサトノダイヤモンドの母父(BMS) として有名。自身は 6戦2勝という短い現役生活ながら、フランスのモルニ賞(G1) という芝1200 のレースを勝っています。
未勝利戦でデビュー勝ちした直後に G1 を獲っていますが、その後はすべて G1 を使われたこともありますが、4戦全敗ですべて凡走に終わっています。超早熟なのか、あるいは走る気を失ってしまったのかわかりません。
産駒はサトノダイヤモンドの母マルペンサ(アルゼンチン産)、Torrestrella(アイルランド産)、Vorda(フランス産)、Feel the Race(アルゼンチン産)などが G1 を勝っています。
オーペンはダンチヒ系で、母がカナダ系という北米血統。産駒の重賞勝ちは短距離戦が多いです。
2代母 On Air は欧州の血ですがその父の勝ち距離は 1200〜1600m に集中しており、本馬の母ポーレンは短距離向きの血が濃いようです。
ヘイローのクロスで切れが出る
母ポーレンの血統や自身、そして父などの勝ち距離から察するに、適正距離に関与するとされる「ミオスタチン遺伝子型」は C:C型と推測されます。
※ ミオスタチン遺伝子型について詳しくは「プラスビタール・スピード検査」をご覧ください。
ハーツクライのミオスタチン遺伝子型は、その産駒に C:C型がいたことや自身の勝ち距離から C:T型と推測されるので、この前提が正しければ本馬は 50%の確率で C:C型になります。
ただ馬体とカタログの表現を見るかぎりでは、そこまで筋骨隆々だったり、スピードがあったりという印象は現時点ではないです。というわけで、現状見るかぎりでは C:T型と予想できます。
そこで気になるのが、ヘイロー(Halo)3×5 クロスです。母ポーレンは非サンデー系のデヴィルズバッグ(Devil's Bag)経由のヘイローを持っており、父方のサンデー経由のヘイローとでそのインブリードがなされています。
このヘイローのクロスによって、切れのある脚が受け継がれているかもしれません。
C:T型は中距離適性があるとされており、その最も適した競走距離は 1400〜2400m と言われています。
本馬は 4月生まれながらすでにそこそこの胸囲もありますし、その胸に十分な心肺機能がつちかわれたときにヘイローの切れが加われば…という想像ができる楽しい配合だと思います。
ただ、ヘイローの父ヘイルトゥリーズン(Hail to Reason)も、ヘイロー自身も、そしてヘイロー産駒のサンデーサイレンスも気性が荒かったことで有名です。
その特徴が濃く出ないことを祈りましょう(笑)。
前と後ろのバランスは良いがやや肢が短い
シルクのカタログ「ポーレンの17」より、以下引用します。
傾斜のいい肩や筋が通った首つき、伸びやかな胴や美しい弧を描く背中、そして薄い皮膚や柔軟な筋肉の感触など、芯の強さと気品を兼備した好馬体です。
感受性が豊かで状況判断に優れ、人との信頼関係を築ける素直さも本馬の美点です。手先が軽く跳びが綺麗なフォームに素性の良さが表れ、長い直線で鮮やかな決め手を披露してくれるでしょう。
牝馬は基本的にやわらかいイメージがあるのですが、本馬は動きを見るかぎりでは硬く映ります。飛節の伸びも小さいですし、前から見たとき、頭から背を通してトモにかけての連動が弱く見えます。
体長と体高のバランスを見ると、少し体長が長く四肢が短いバランスに見えます。
ハーツクライ産駒は胴伸びが良いイメージですが、肢ももう少し長くバランスが取れている気がしますので、その点については母方の短距離型の血が出ているのかもしれません(母系の馬体は見たことないので想像)。
配合の項で、現時点では C:T型と判断できると書きましたが、もしここからゴツゴツと成長していくようなら、C:C型である可能性が高いと思いますので、個人的には注目しています。
前と後ろのバランスは偏りがなく、バランス良く見えます。
測尺は生後 14ヶ月半ほどのものであることを考えると、華奢ではないですし、ハーツクライ産駒ということで今後ある程度の成長が見込めるのではないかと考えています。
ただ、兄姉を見ると、牡馬はどちらも 500kg 超と大きく出ていますが、唯一の姉がデビュー時 440kg とやや小さいのが少し気になります。
預託予定先が今年開業したばかりの田中博康厩舎であることが原因なのか、なんなのかサッパリわかりませんが、2000万円というのは総合的に見るとお得だなと感じます。
この記事の作成日は 2018年07月24日 です。