トップ > シルク・ホースクラブ募集馬の考察(2018年) > ミュージカルウェイの17(リズムオブラヴ)の配合分析と血統評価
ミュージカルウェイの2017の血統評価
- 父
- ディープインパクト
- 母
- ミュージカルウェイ(15歳時)
- 母父
- Gold Away
- 5代内クロス
- Northern Dancer 5×5
- 性別
- 牝馬
- 生月日
- 3月2日
- 募集総額
- 8000万円
- 入厩予定
- 藤原英昭(栗東)
- 測尺
- 体重 : 434kg
体高 : 154cm
胸囲 : 174cm
管囲 : 20cm
※ 測尺は 2018年7月上旬 現在の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。
ミュージカルウェイの17(リズムオブラヴ)の配合分析
ミュージカルウェイの17(リズムオブラヴ)は、父がディープインパクト、母が牝馬クラシック二冠のミッキークイーンを産んだミュージカルウェイ、母父がフランスの重賞ウイナーのゴールドアウェイ(Gold Away)という血統です。
母ミュージカルウェイの産駒成績
- インナーアージ(10 牝 ディープインパクト)21戦4勝
- トーセンマタコイヤ(11 牡 ディープインパクト)18戦5勝 現役
- ミッキークイーン(12 牝 ディープインパクト)17戦5勝
優駿牝馬(G1)、秋華賞(G1)、サンケイスポーツ杯阪神牝馬S(G2) 同2着、忘れな草賞(OP)、ヴィクトリアマイル(G1) 2着、関西TVローズS(G2) 2着、デイリー杯クイーンC(G3) 2着 - ルールブリタニア(13 牝 ディープインパクト)3戦1勝
- Lethal Impact(14 牡 ディープインパクト)6戦0勝
- ロングランメーカー(15 牡 エンパイアメーカー)5戦0勝 現役
- オーロトラジェ(16 牝 オルフェーヴル)未出走
母ミュージカルウェイは、自身はドラール賞(G2)などフランスで 8勝をあげている重賞ウイナー。
2代母ムリカ(Mulika)はフランスで現役生活を送りましたが未勝利引退。その後、5頭の産駒を設けましたが、その代表が本馬の母ミュージカルウェイです。
母ミュージカルウェイの 3年目のディープインパクト産駒、つまり本馬の全姉にはオークスと秋華賞を勝ったミッキークイーンがいます。
初年度から 5年連続でディープインパクトを付けられていることからも、期待されている繁殖牝馬なのだと思います。次代のための血統構築という面もあるかもしれませんね。
その試みは成功していて、兄姉はおおむね良績をあげていると言えます。ミッキークイーンについては述べた通りで、その上 2頭もオープン馬です。
ルールブリタニアは残念ながら、未勝利戦を勝ったあとに屈腱炎引退。ロングランメーカーは未勝利ながら掲示板を一度も外しておらず、1月に骨片摘出手術をしたあと復帰に向けて調整中。
というわけで、ハズレらしいハズレはいまのところないようです。
母が高齢になってきていることや、実際に直近の産駒で故障が出ていることを考えると故障リスクは低いとは言えませんが、能力自体は高い血統だと思います。
母母の系統にMr.Prospectorのあるディープ産駒
母父のラインに Nureyev が入ったディープ産駒を調べると、本馬の全きょうだい以外ではアルバートドック(小倉大賞典)、マーティンボロ(中日新聞杯)などの重賞ウイナーがちらほら見つかる程度です。
少し視点を変えて、母母のラインにミスタープロスペクター(Mr. Prospector)が入るディープ産駒を調べたら、サトノアラジン、リアルスティール、ラキシス、ジュールポレールなどの G1馬が出てきました。
と言っても、サトノアラジンとラキシスは全きょうだいであり、ジュールポレール以外の 3頭はすべて母父が Storm Cat という言わずと知れたニックスで生まれた馬たちです。
そのため本馬の血統が特別何かを保証されるわけではないのですが、全姉にすでに G1馬がいること、母父がノーザンダンサー系の系譜で、母母のラインにミスプロがいることが共通していることは、この配合の強みだと思います。
また全きょうだいを振り返ると、日本で走った全姉 3頭は、すべて 450kg 程度が馬体重の上限になっています。
本馬はやや早い生まれとは言え、すでに 430kg を超えているあたり、デビュー時には全姉たちよりも大きくなっているはず。この馬格が故障に結びつかなければ、本馬の前にも大きな可能性がひろがっていると思います。
トモ幅はあるが管の乾き具合をどう見るか
シルクのカタログ「ミュージカルウェイの17」より、以下引用します。
骨格バランスが秀逸で、無駄肉の無い弾力感に富んだ筋肉に覆われた馬体は、既に女王としての風格を感じさせます。
しなやかな背中を基点にして、関節の可動域が広く、ロスなく推進力に転換できる走りは、完歩が大きく実に滑らかです。
環境の変化にもすぐに適応し常に冷静沈着であり、歓声溢れる大舞台でも力を存分に発揮するタイプとみています。
青鹿毛ということで艶も品もあって、どうしても見栄えがしてしまいます。トモは一見物足りなく見えますが、よく見たら体のサイズにくらべて大きめに見えます。ディープ産駒にしては尻は大きいほうかもしれません。
少し背が垂れているように見えますが、全体のバランスが良く気にするレベルではありません。
気になるのは、やはり故障リスクです。怪我をする前から何度も言うのはしつこいかもしれませんが、直近の兄姉が相次いで脚元に悩まされたことが気がかりです。
その点に注目して本馬の馬体を見ると、まず測尺は問題なく健康に見えます。球節など、各関節もしっかりしているようです。
ひとつ文句を付けるとしたら、前肢の管の乾き具合です。クッキリしている馬のそれとくらべたら、少しぼんやりしている印象を受けます。
裏を返せばそれくらいで、歩様については欠点は見受けられません。リズムよく歩けていますし、飛節の伸びも十分に見えます。
後ろから見たときに、飛節の曲がり方が少しだけ気になりますが、もっと曲がっていても競走能力に問題のでなかった馬もたくさんいるので、指摘する必要はなさそうです。
あとは全姉たちよりも馬体重が重くなりそうなので、それがどう影響するか。ほどよく重ければ統計的には他馬より走りますし、重すぎると今度は故障リスクが大きくなります。
そればかりは成長してみないとわかりませんが、血統的にも馬体的にも、そして歩様的にも期待できる馬なのは間違いないです。
この記事の作成日は 2018年07月21日 です。