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モシーンの2017の血統評価

モシーンの17

ディープインパクト
モシーン(9歳時)
母父
Fastnet Rock
5代内クロス
Northern Dancer 5×5×5
性別
牡馬
生月日
5月3日
募集総額
1億5000万円
入厩予定
国枝栄(美浦)
測尺
体重 : 412kg
体高 : 154.5cm
胸囲 : 168.5cm
管囲 : 20.2cm

※ 測尺は 2018年7月上旬 現在の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。

モシーンの17(モーソンピーク)の配合分析

モシーンの17(モーソンピーク)は、父がディープインパクト、母がオーストラリアの芝 G1で 4勝をあげたモシーン、母父が自身も多くの産駒も G1勝ちをしているファストネットロック(Fastnet Rock)という血統です。

母モシーンの産駒成績

  • キャリコ(14 牝 ディープインパクト)5戦0勝
  • プリモシーン(15 牝 ディープインパクト)5戦2勝 現役
    フェアリーS(G3)
  • パロネラ(牝 16 ロードカナロア)未出走

若い母馬ということで、モシーンの17 以外の産駒はまだ 3頭のみ、うち未出走の馬が 1頭という状態です。

ニュージーランドに産まれてオーストラリアで走った、モシーンの母 Sumehra もあまり産駒を残しておらず、初年度のモシーン以外には目立った成績の産駒は出していません。

本馬の全姉 2頭は明暗が分かれています。初年度産駒のキャリコは勝ち上がれず未勝利で引退。2年目のプリモシーンは重賞勝ちして、桜花賞や NHKマイルC などの G1レースに出走しています。

キャリコは 3歳1月にデビューして、そのときの馬体重が 434kg、プリモシーンは 2歳9月のデビューで 470kgでした。生月日の差は 1ヶ月もありません。

キャリコは初年度産駒ということもあってか、あまり馬格に恵まれなかったことが未勝利だったことの一因としてあるかもしれません。

その点、本馬は 5月生まれで現在 412kg という馬体を見ると、まだまだ成長して十分な馬格になりそうなので、第1仔の全姉とは違った結果が出るかもしれません。

本馬の配合

母父ファストネットロックの配合を netkeiba.com で調べると、ヒットするのが本馬以外で実質 4件のみ。しかもそのうち 3頭は 本馬の姉です(笑)。

というわけで、傾向についてはあまりわかりませんが、ファストネットロックの海外の産駒などを調べるほかないですね。

母父のファストネットロックはノーザンダンサー(Northern Dancer)3×4、Natalma 4×4×5という ND が強めの配合で、母モシーンもノーザンダンサー 4×5×4 というインブリードの配合をされています。

ファストネットロックの種牡馬としての成績を見ると、Galileo や Sadler's Wells、ヘネシーなどの ND系の牝馬との仔が G1を勝っています。

モシーンの母 Sumehra もストラヴィンスキー産駒であり、モシーンが G1を勝っていることから、ファストネットロック自身とは、ND系牝馬の相性が良かったのであろうことが見て取れます。

ちなみに、日本のファストネットロック産駒でもその配合は意識されているようで、獲得賞金上位の産駒ブラヴィッシモやフィアーノロマーノなども、母父が ND系です。

上記のようにファストネットロック産駒は ND系を強めて成功しているようですが、孫世代となると事情が違うと思います。

モシーンの段階ですでにかなり NDを濃くしているので、産駒に柔らかさを出したり、その後の血統構築を考えたりする意味で、モシーンの仔はアウトブリードで攻めるのが定石のような気がします。

それについては本馬は、ND 5×5×5 という血が濃くなり過ぎないような「アウトブリード型」の配合で、クリアしていると思います。

一方で、ディープが柔らかいタイプだと思うので、少し筋肉量があり硬いタイプを母系に配置して、それによって締めるというのもアリだと思いますが、その点でも合っていると思います。

距離に関しては、かなり短いレースの方が適しているかもしれません。

ファストネットロック産駒には芝2000以上の G1で勝っている馬もいますが、ファストネットロックもその父デインヒルも短距離戦で活躍した馬であり、ディープを配した本馬も基本的にはマイル戦などが合っていそう。

実際、日本のファストネットロック産駒を見てもだいたいが 1000〜1400 のレースを使われています。

自身は天皇賞(春)を勝ったものの、産駒は長距離をあまり走らないディープインパクトが付けられた本馬も、中距離を走るかどうかはわからないと考えています。

ただ、ディープのミオスタチン遺伝子型は T:T型(中長距離適性)と考えられており、モシーンは VRCオークス(G1 芝2500) を勝っていることから C:T型(中距離適性)の可能性があります。

上記の仮定が正しければ、本馬は C:T型もしくは T:T型になるため、中距離適性を備えているかもしれません。シルクのカタログでも距離適性は長めのところに印が打たれています。

幅はないが品のある馬体

シルクのカタログ「モシーンの17」より、以下引用します。

既に王者の風格が漂う精悍な顔つきと気品の溢れる堂々とした立ち居振る舞いで見る者を陶酔させます。
鞍上の意のままに動けそうな素直な気性に加えて、ターフを切り裂く極上の瞬発力はクラシックディスタンスでの大いなる活躍が希求されます。
父と母合わせてGI11勝の天賦の才が与えられた本馬の使命は、世代の頂点に達することに他なりません。

馬体は青鹿毛でスラッと肢が長く、とてもキレイに見えます。トモの迫力には欠けますが、遅生まれであることやディープ産駒であることを考えると、物足りなさは感じません。

5月生まれということで馬体重はまだ軽めで、トモは横からも後ろからも幅を感じませんが、管はしっかりしていますし、肢向きは非常によく見えます。

※ シルクも、東サラみたいに横からだけではなく前後からの静止画も載せてほしいですね。誌面が窮屈になったりカタログが厚くなったりしそうですが、高額商品なのだからそれくらいしても全然いいでしょう。

脛もやや華奢に見えながら、意外としっかりしています。血管の浮き出方や肌の質感から、皮膚は薄いように感じます。

歩様を見ても、まったく変なクセはなく、前後からの映像では脚がまっすぐ出ています。後ろ脚の踏み込みがやや甘く感じますが、飛節はきちんと伸びています。5月生まれでこれだけリズムよく動ければ十分。

高額すぎて、僕はディープ産駒には手が出せませんが、財政的な不安がなければ間違いなく出資したい 1頭です。

この記事の作成日は 2018年07月18日 です。

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