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ブラックエンブレムの2017の血統評価

ブラックエンブレムの17

ディープインパクト
ブラックエンブレム(12歳時)
母父
ウォーエンブレム
5代内クロス
Mr. Prospector 4×5、Sir Ivor 5×5
性別
牝馬
生月日
4月18日
募集総額
6000万円
入厩予定
高野友和(栗東)
測尺
体重 : 377kg
体高 : 154cm
胸囲 : 167cm
管囲 : 19.4cm

※ 測尺は 2018年7月上旬 現在の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。

ブラックエンブレムの17(アトリビュート)の配合分析

ブラックエンブレムの17(アトリビュート)は、父がディープインパクト、母が秋華賞を勝ったブラックエンブレム、母父がアメリカ二冠馬のウォーエンブレムという血統です。

母ブラックエンブレムの産駒成績

  • テスタメント(11 牡 ディープインパクト)26戦3勝
    4歳上1000万下
  • ブライトエンブレム(12 牡 ネオユニヴァース)13戦2勝 現役
    札幌2歳S(G3)、報知杯弥生賞(G2) 2着
  • アストラエンブレム(13 セ ダイワメジャー)17戦5勝 現役
    大阪城S(OP)、エプソムC(G3) 2着、新潟記念(G3) 2着、メイS(OP) 2着、巴賞(OP) 2着
  • オーロラエンブレム(14 牝 ディープインパクト)8戦0勝
  • マルーンエンブレム(15 牝 オルフェーヴル)3戦1勝 現役
  • ウィクトーリア(16 牝 ヴィクトワールピサ)1戦1勝 現役

母ブラックエンブレムは、現役時代は秋華賞の他の重賞としてはフラワーカップも勝っています。その後も期待されていましたが、慢性的な鼻出血のために引退、繁殖入りしました。

ブラックエンブレムのきょうだい、つまり 2代母ヴァンドノワールの産駒はブラックエンブレム以外はパッとした馬はおらず、産駒の勝ち上がり率は高くありません。

余談ですが、母父のウォーエンブレムはその血統から、日本での相手選びには困らないと目されていましたが、彼には牝馬の好みのタイプがありそのストライクゾーンが狭く、種牡馬としては大成できなかったそうです。

本馬の兄姉には大外れはほぼいません。重賞ウイナーも出ていますし、この母の仔は馬格さえ標準レベルで仕上がれば良い線までいくのではないかと考えています。

きょうだいを見るかぎりでは、故障リスクはあまり高くないように感じられます。

母自身が慢性的に鼻出血を発症していたことと、ネオユニヴァース産駒のブライトエンブレムが左前浅屈腱炎を患ったことくらいだと思います。健康面はそこまで気にしなくて良いでしょう。

ただ、本馬の兄姉には馬体重が軽い馬が多いです。たとえば全兄のテスタメントはデビュー時 430kg、全姉オーロラエンブレムは 422kg、半兄マルーンエンブレムは 392kg でした。

歳が近く同じ性別の全姉オーロラエンブレムは 3月30日生まれで、1歳9月時点の馬体重が432kg、胸囲が 179cm でした。

全きょうだいでも個体差があるとは言え、オーロラエンブレムとそこまで誕生日が変わらない本馬が、7月上旬時点で彼女より 55kg も軽いというのは懸念材料だと思います。

また故障リスクは先述のとおり高くないと考えていますが、気性面が少し気になります。

いままでの兄姉は全て、母ブラックエンブレムを管理していた小島茂之調教師が引き受けていましたが、その彼の発言を追うかぎりでは、母も兄姉も少し煩いところがあったようです。

そして実際に、アストラエンブレムは去勢されています。

本馬は牝馬ですので、上記に挙げた馬体重と気性面、この 2つの問題が出てくる可能性が高いと予想されます。それらが今後クリアされると見込めるならば、前向きに考えて良いかもしれません。

本馬はいままでの兄姉とは違い高野友和厩舎に預託予定である、ということも含めて検討するべきでしょう。

ディープ産駒は軽いかもしれない

ディープインパクト×ウォーエンブレム、という組み合わせは、本馬の兄姉以外にはないようです。

ディープと母父ミスタープロスペクター(Mr. Prospector)系の相性が良いのは周知のとおりですし、本馬と同じ母父父父の位置にミスプロが入るディープ産駒には G1馬や重賞ウイナーがゴロゴロいます。

宝塚記念のマリアライト、阪神ジュベナイルF のショウナンアデラ、オーストラリアに移籍して G1勝ちをしたトーセンスターダム、今年の日本ダービーを勝ったワグネリアンなどです。

というわけで、ややザックリした見方ではありますが、配合に関しては文句なしです。

ただ前述のとおり、本馬に関しては馬体重が気になります。ブラックエンブレムの仔を見ていると、デビュー時に 460kg 以上あると安定して好成績をおさめている印象があるためです。

その条件に合うのは、ブライトエンブレム・アストラエンブレム・ウィクトーリアです。

ちなみに、2016年産の半姉ウィクトーリアは、この記事を書いている日に函館での新馬戦を 2歳コースレコードで勝ちました。彼は 462kg で出走しています。

ウィクトーリアの父ヴィクトワールピサは自身も 500kg超と馬格がありましたし、産駒も並み以上の馬体重の馬が多く、この母にはそういった種牡馬があっているのかなと思わされています。

長い肢と柔軟な背で長距離に期待

シルクのカタログ「ブラックエンブレムの17」より、以下引用します。

「際立つ存在感」。6年連続募集となった母の産駒ですが、どの産駒も両立の難しい「短く」そして「しなる」背中を有し、その非凡な運動神経から毎年人気を博してきました。
本馬には、その特性が受け継がれているだけでなく、馬群を割る強い闘志をも併せ持っています。血の継承者として、母を名繁殖牝馬へと導く存在になってくれると期待しています。

馬体重が軽く胸囲もそれほど大きくない本馬ですが、体高は現状でも十分あります。そのせいか、より肢がスッキリ長く映ります。

管囲は 19.4cm なので細めで、球節なども大きくは感じません。そしてディープ産駒なので仕方ないですが、トモ幅がすこし物足りないです。後ろから見たときの厚みもありません。

飛節の硬さなど、歩様からはそれほど柔らかみは感じませんが、写真を見るとしなやかでキレイな背をしていると感じます。

長い肢と細い馬体、しなやかな背腰を見ていると、兄姉よりも長い距離を走ってくれるのではないかと期待したくなります。

この記事の作成日は 2018年07月23日 です。

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