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ルシルクの2017の血統評価

ルシルクの17

ディープインパクト
ルシルク(13歳時)
母父
Dynaformer
5代内クロス
Hail to Reason 4×4
性別
牝馬
生月日
5月19日
募集総額
5500万円
入厩予定
古賀慎明(美浦)
測尺
体重 : 423kg
体高 : 156cm
胸囲 : 172cm
管囲 : 19.5cm

※ 測尺は 2018年7月上旬 現在の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。

ルシルクの17(クロワルース)の配合分析

ルシルクの17(クロワルース)は、父がディープインパクト、母がステイゴールドとのあいだに京成杯オータムH(G3) 勝ちのグランシルクを産んだルシルク、母父がダイナフォーマー(Dynaformer)という血統です。

母ルシルクの産駒成績

  • クロムレック(10 牡 Smart Strike)25戦3勝
  • ハイデッカー(11 牡 マンハッタンカフェ)3戦0勝
  • グランシルク(12 牡 ステイゴールド)24戦5勝
    京成杯オータムH(G3)、ニュージーランドT(G2) 2着、トヨタ賞中京記念(G3) 2着、ニューイヤーS(OP) 2着、パラダイスS(OP) 2着
  • クードラパン(13 牝 ダイワメジャー)20戦3勝 現役
  • ヴァンクールシルク(14 牡 ヴィクトワールピサ)8戦2勝 現役
  • ラソワドール(15 牝 ゴールドアリュール)5戦1勝 現役
  • クーダルジャン(16 牡 オルフェーヴル)未出走

本馬の兄姉で重賞ウイナーは、ステイゴールド産駒のグランシルク 1頭のみ。それ以外はそこそこの走りをしているという印象です。2代母のキューも Smart Strike との間に重賞馬ブレイクランアウトを産んでいます。

11年産のハイデッカーは中央でこそ 3戦しかしていませんが、地方では30戦くらい使われています。そのほかの兄姉も、現役馬以外の戦績を見るに、かなり健康でレースにしっかり使われていたようです。

ただ気になるのは、この母の産駒は筋骨隆々の見た目の馬が多く、ほぼ全ての産駒が馬体重 500kg を超える大型馬であるということ。

ヴィクトワールピサ産駒のヴァンクールシルクにいたっては、580kg 超という超大型馬です。そうなると、先ほどの健康面に関する記述と相反する話ですが、脚元の不安が出てくるのが正直なところ。

実際に、ヴァンクールシルクは喉鳴りの手術をしているほか、骨瘤についての記述がよく見られます。またラソワドールも、挫跖を繰り返してなかなか思うようなローテーションを組めていません。

ただこれは母側の問題というよりは、それぞれの産駒特有の問題のようにも感じられます。

ヴィクトワールピサ産駒は手元のデータではかなり健康なほうなので、ヴァンクールシルクについては完全に馬体重が重すぎることが裏目に出たと考えるべき。

ラソワドールはもともとやや故障が多いゴールドアリュール産駒ですし、挫跖については繰り返していることから、外部要因ではなく、自身の走法もしくは柔軟性がありすぎることに起因している気がします。

というわけで、馬体重がかなり軽い部類に入る産駒を多く出しているディープインパクトが付けられたことは、馬体重の面ではプラスに働くと読んでいます。

しかし、ディープ産駒自体が健康面に問題がないかと問われればそうではないので、その点は慎重に育成していくべき馬なのではないかと予想しています。

父サンデー系と母父ロベルト系の組み合わせ

父サンデーサイレンス系×母父ロベルト(Roberto)系の活躍馬には、エスポワールシチー(G1 9勝)やメイショウマンボ(牝馬クラシック 2冠)、ビートブラック(天皇賞春)、ディーマジェスティ(皐月賞)などがいます。

だいたいが父父サンデー、母父父ロベルトという配置であり、ルシルクの17 と同じくヘイルトゥリーズン(Hail to Reason)4×4 というインブリードです。

上記のうち、メイショウマンボを除いた 3頭については、母父がブライアンズタイム。その母父は Graustark で、ダイナフォーマーの母父 His Majesty と全兄弟です。

そして、ブライアンズタイムの 2代母と、ダイナフォーマーの 3代母は同じ Golden Trail、つまりブライアンズタイムとダイナフォーマーは 7/8 同血ということになります。

本馬の血統構成は、上記の G1馬たちとかなり似通っていると言って差し支えないでしょう。

母母父に、かなり重い血である Sadler's Wells の入ったディーマジェスティが皐月賞を勝っていることから、本馬に入っているフレンチデピュティの血はそこまで重いほうに出ると考えなくて良さそうです。

兄姉も芝を走っていますし、芝寄りと見て良いのではないでしょうか。

懸念点としては、この組み合わせはあまり牝馬が走らないということ。賞金上位の馬を並べると、ほとんどが牡馬かセン馬です。

それを乗り越えて大きなところを勝てるかというところに、本馬の真価を見ることができるのではないかと思います。

遅生まれながら大きな馬体

シルクのカタログ「ルシルクの17」より、以下引用します。

筋質はしなやかで強く、筋量も豊富で5月生まれを感じさせない出来映えです。
四肢が長く各関節も理想的な造りで、軽やかなステップから全身を使って瞬く間に最高速へと加速する走りに力強さと機動力が見てとれます。
冷静な立ち居振る舞いや高い集中力に父の牝駒らしい風格が漂い、華やかな舞台でその才能が開花して、大きな輝きを放つでしょう。

5月中旬の遅生まれでありながら、すでに 420kg台という立派な馬体を有しています。トモの幅はそれほどあるようには見えませんが、かなりのボリュームを感じさせるスジが入っています。

バランス的には四肢が長め。また胴伸びが良いとは言えません。飛節は少し硬めで、長距離よりは短いところが合いそうな気がします。

兄姉と同様に大きくなりそうですが、先述のとおりディープ産駒ということも鑑みると 500kg を超えてくることは少し考えにくいので、太いとは言えない管については、数字だけで不安視する必要はなさそうです。

ただ馬体を見るかぎり、流麗なラインを持つほかのディープ産駒とは一線を画しているとも言えるので、それがどちらに転ぶか楽しみに待ちつつ成長を見守りたいです。

個人的には、今回のシルクの関東ディープ馬のなかでは、評価は少し低めです。

この記事の作成日は 2018年07月21日 です。

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