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サロミナの2017の血統評価

サロミナの17

ハーツクライ
サロミナ(8歳時)
母父
Lomitas
5代内クロス
Northern Dancer 5×5
性別
牡馬
生月日
1月23日
募集総額
7000万円
入厩予定
堀宣行(美浦)
測尺
体重 : 510kg
体高 : 153cm
胸囲 : 186cm
管囲 : 20.9cm

※ 測尺は 2018年7月上旬 現在の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。

サロミナの17(サリオス)の配合分析

サロミナの17(サリオス)は、父がハーツクライ、母がドイツオークスを勝ったサロミナ、母父がドイツで G1 を 3勝して産駒もアメリカや欧州の G1 を勝っているロミタス(Lomitas)という血統です。

母サロミナの産駒成績

  • サロニカ(14 牝 ディープインパクト)9戦2勝 現役
    エルフィンS(OP)
  • サラキア(15 牝 ディープインパクト)4戦1勝 現役
    白百合S(OP) 2着
  • サラミス(16 牡 ディープインパクト)未出走

3年連続でディープインパクトを付けられているのを見ると、期待の母なのだと思います。ちなみに本馬の下もディープ産駒です。本馬だけなぜハーツクライなのかはわかりません。

ご覧のとおり、母の初仔サロニカはオープン勝ち馬、2番仔のサラキアも新馬勝ちのあと重賞好走を 2度はさみ、4戦目で OP 2着と順調なようです。

2代母のザルデンティゲリン(Saldentigerin)は、バーデンヴュルテンベルクトロフィーというドイツの G3 を勝っています。

代表産駒は独オークスを勝った本馬の母サロミナで、ほかではイタリアセントレジャー(G3) を2着した Salut、日本で 1000万下を勝ったサンタフェチーフが産駒のなかでは競走成績が良いほうです。

母父ロミタスは、自身がオイロパ賞・バーデン大賞・ベルリン銀行大賞など芝2400 の G1 を3勝しており、複数の産駒が凱旋門賞、ドイチェスダービー、ハリウッドターフカップS などの芝2400の G1 を勝っています。

ロミタスの代表産駒は、凱旋門賞のほかベルリン大賞やキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスなど G1 を 6勝したデインドリームです。

というわけで、とても魅力的な母系に、日本を代表する種牡馬であるディープやハーツが付けられており、毎年募集価格が高いのもうなずけます。

ハーツクライとNijinsky系の組み合わせ

正直、ハーツクライと母父ニジンスキー(Nijinsky)系の組み合わせはあまり良い評価はできません。

調べたところ、母父系の 4代内にニジンスキーがいるハーツ産駒では、まだ重賞ウイナーは生まれていないようです。

ディープとの相性もそこそこという感じで、ダノンシャークやジョワドヴィーヴルなどの G1馬は出ていますが、Storm Cat などとの組み合わせと比較すると見劣りします。

それでも本馬のきょうだいがそこそこの成績をあげているのは、ディープと母系が貢献しているのだと思います。

父がハーツにかわった本馬は実際にどうなるかというのはわかりませんが、データ的には大きな期待はできないようです。

ほかに少しだけ気になるのが、気性です。

姉のサラキアは、2歳7月に入厩したもののゲート試験を受けられる状態ではなく一度放牧、その後 9月に帰厩して 2度不合格になったあと、11月にやっと合格したという経緯があります。

しかし兄のサラミスはアッサリと合格しているので、サラキア特有の問題だったのか、牝馬だったからなのか、遺伝によるものなのかは判然としません。

きょうだいが少ない現状でそこまで精緻な分析はできないので、本馬に関してもそんなに気性について敏感に考える必要はないかもしれません。

母父の実績と父の適正距離を考えると、中長距離での活躍を期待したい配合です。

成長力のあるハーツ産駒だがすでに大きい

シルクのカタログ「サロミナの17」より、以下引用します。

ドイツ血統馬らしい量感のある重厚な上体を、膝下の短い四肢がしっかりと支え、抜群の安定感を誇っています。その恵まれた馬体を存分に駆使した走りはパワフルであり、かつスピードの持続力にも優れています。
日常での自信に満ちた立ち居振る舞いからも、他馬とは一線を画す並々ならぬオーラが漂っており、大舞台でより一層の輝きを放つはずです。

ひとめ見てすぐにわかりますが、とても迫力のある馬体をしています。そして胴伸びが良いです。というよりも、カタログにもある通り四肢が短いのかもしれません。

トモがこれだけ大きくて迫力があるのに、胴との比率が通常の範囲内におさまっているので、そういうことなのでしょう。体高 153cm、胸囲 186cm というバランスを見ても、肢の短さがわかります。

昔見た写真のなかのノーザンダンサーも胴と四肢のバランスがこんな感じだった気がしますが、本馬は ND の血を各所から受け継いではいるもののそこまで濃いとも言えないので、単なる偶然か勘違いでしょう。

全体的にデカイという感じで、飛節も球節も大きく見えます。後肢の脛と管のバランスは、もうすこし脛が短いほうが好みですが、前肢の前腕と管のバランスは良いです。

カタログの表現を頼りにすると、あまり瞬発力はないかもしれません。しかし歩様を見てもわかる通り、その馬体重の根拠となっている豊富な骨量と筋肉を活かして、ダイナミックな走りをしてくれそうです。

あえて欠点をあげるとすると、左前肢がやや弓脚に見えることと、後ろから見たときに飛節がやや曲がって見えることでしょうか。

大型馬の場合、肢にかかる負担は小型馬とくらべてかなり大きくなるでしょうから、脚元はしっかり見ておきたいです。

それと胴伸びが良いので、前と後ろの連動がきちんとなされるかも気になるところです。歩様を見るかぎりそれぞれはきちんと動いていますので、あとはプロの育成で良い動きを身につけてくれるのを待ちましょう。

横から見たとき、飛節がしっかり伸びていたので、これだけの大きさがありながら柔軟性は高いと感じました。

姉 2頭は 430kg 台でデビューしましたが、前年のほぼ同じ時期に生まれた兄サラミスは昨年 7月の馬体重が 488kg だった模様。

2歳5月時の写真を見ると、スラッとしながらも前と後ろにバランスよくボリュームのある筋肉が付いていて、すごく走りそうです。やや首は長いですが、未出走のうちに POG指名したいなと思いました(笑)。

成長力に定評のあるハーツクライ産駒の本馬が、いったいどこまで大きくなるのか楽しみです。

この記事の作成日は 2018年07月24日 です。

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