トップ > シルク・ホースクラブ募集馬の考察(2018年) > ペンカナプリンセスの17(ハーツクリスタル)の配合分析と血統評価
ペンカナプリンセスの2017の血統評価
- 父
- ハーツクライ
- 母
- ペンカナプリンセス(15歳時)
- 母父
- Pivotal
- 5代内クロス
- Northern Dancer 5×5×5、Lyphard 4×5
- 性別
- 牡馬
- 生月日
- 5月1日
- 募集総額
- 5000万円
- 入厩予定
- 高野友和(栗東)
- 測尺
- 体重 : 417kg
体高 : 150cm
胸囲 : 168.5cm
管囲 : 20.1cm
※ 測尺は 2018年7月上旬 現在の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。
ペンカナプリンセスの17(ハーツクリスタル)の配合分析
※ 本馬はクラブより、左前膝の骨片摘出手術の予定があることが発表されており、調教開始が遅れることが予想されます。出資にあたっては注意してください。
【重要なお知らせ】「32.シーヴの17」「38.ペンカナプリンセスの17」「52.エンジェルフォールの17」骨片摘出手術(予定)について
ペンカナプリンセスの17(ハーツクリスタル)は、父がハーツクライ、母がアイリッシュ1000ギニー(G1) 2着のペンカナプリンセス、母父がイギリスのナンソープS(G1) を勝ったピヴォタル(Pivotal)という血統です。
母ペンカナプリンセスの産駒成績
- ダノンジェラート(09 牡 ディープインパクト)16戦5勝
アメジストS(1600万下)、セントライト記念(G2) 3着 - ロジプリンセス(10 牝 ディープインパクト)16戦2勝
4歳上500万下 - ワールドインパクト(11 牡 ディープインパクト)11戦2勝
大寒桜賞(500万下)、テレビ東京杯青葉賞(G2) 2着 - ヴァシリーサ(12 牝 ハーツクライ)4戦1勝
- プリンセスノワール(13 牝 ネオユニヴァース)7戦0勝
- トリコロールブルー(14 牡 ステイゴールド)11戦5勝 現役
飛鳥S(1600万下)、鳴尾記念(G3) 3着 - ピボットポイント(15 牡 ディープインパクト)7戦0勝 現役
2007年産(フジキセキ)と 2016年産(ディープインパクト)は不明、2008年がないのは不受胎のようです。4戦で引退したヴァシリーサの引退事由は屈腱炎。
母ペンカナプリンセスはイギリスのフレッドダーリンステークス(G3) 勝ち馬で、アイリッシュ1000ギニー(G1) やロックフェルステークス(G2) で2着しています。母自身は短距離向きのようです。
2代母ティリアナ(Tiriana)は 6戦0勝、産駒はペンカナプリンセスが代表で、他では Salut Saint Cloud が 71戦9勝(含む障害)、Madamoiselle Jones が 26戦3勝という感じです。
母父ピヴォタルは前述のとおり、キャリア 6戦目でイギリスのナンソープステークス(G1) を勝ちそのまま引退、種牡馬入り。
キャリアが短かったのもあり、自身は G1レースは 1勝のみしかしませんでしたが、産駒の G1勝利数は非常に多く、欧州や米国、ドバイなどで活躍しています。
産駒の勝ち距離は短距離から 2000m までが多いですが、たまに 2400m のクラシックディスタンスを勝つ馬もいます。
母父としては、今年の宝塚記念を制したミッキーロケットや、フラワーカップ(G3) をレースレコードで勝ち非常に高い期待をされながら、残念なことに先日引退したファンディーナなどを輩出。
本馬の兄姉は重賞で良いところまでいくものの、なかなか勝ちきれないという感じです。勝ち上がり率は高いですが、優秀な種牡馬を付けられているので当然と言えば当然でしょう。
母はやや高齢になってきましたが、直近の産駒を見た限りでは馬体重などはきちんとした仔を出しており、活力は衰えていないように見えます。
ナスキロやナスペリオンの血を強調する配合
父ハーツクライの EI値は 1.45、母父ピヴォタルの EI値は 2.12 です。
ピヴォタルに関しては母父になっている日本馬の数が少なく、またミッキーロケットが数値を引き上げている面があり、データとして信憑性があるかはわかりませんが、海外での種牡馬成績は前述のとおり良いです。
さて、母父ピヴォタルの産駒を見ると、本馬の兄姉以外だとミッキーロケット、リッチーリッチー、ナムラシングンなどが獲得賞金上位です。
共通しているのが、父方や母母方にナスキロやナスペリオンが入り、その血脈が活性化しているように見受けられる点です。
ミッキーロケットの父方には、ナスペリオンの代表格 Special と、それを内包しておりナスキロも成立させている Miesque のほか、Mill Reef、母母方には Miswaki と Riverman もいます。
リッチーリッチーには Miswaki、Sir Ivor、ナムラシングンには A.P. Indy(Seattle Slew と Secretariat)など。
ピヴォタル自身に Special や Princequillo の血がある程度流れているので、父方や母母方(ピヴォタルの相手)でそれを強調する配合が強いのかもしれません。
そういう意味では、本馬の 3代母 Proudfoot には Sir Ivor がチラッと見えていますし、父方にはトニービン(カンパラと Hornbeam)もいるので、なかなか良い配合なのではないかと思います。
トモは力強く頭部の星がキレイ
シルクのカタログ「ペンカナプリンセスの17」より、以下引用します。
平均サイズながら骨格バランスに優れた無駄肉の少ないメリハリの利いた馬体は一回り大きく感じます。
父の産駒らしい柔軟な肩や胸周りの筋肉が軽快な前肢の捌きを可能にし、各関節のスムーズな動きと連動してしなやかかつダイナミックなフォームを生み出しています。
良血馬らしくクラシックロードでの活躍を期待せずにはいられない一頭です。
兄姉の募集時の写真を見ると、胴に共通する雰囲気があります。
特に背中や、胸前から腹にかけてのラインが似ており、そういった意味では、現在活躍中のステイゴールド産駒のトリコロールブルーはやや相違があったなあと思っています。
本馬は少し毛色のちがうトリコロールブルー寄りではなく、ほかの兄姉寄りの馬体に見えます。だからなんだということはないのですが、率直な感想として…(汗)。
現時点ではあまり大きくないですが、遅生まれですし、同じ遅生まれだったピボットポイント(父ディープ)を見ても、トモ高な点を見ても、今後十分に成長するだろうと予測できます。
まだ馬体重は軽いですが、トモはきょうだいのなかでは大きく厚みがあるほうだと思います。それでいて飛節はしっかり伸びていて柔軟性があるので、後躯のチカラをうまく使えそうです。
歩様については特に気になる点はありません。全体のリズム、各肢の向き、柔軟性など何も問題ないと感じます。
母系が短距離向きなので適性が気になりましたが、馬体と歩様を見るかぎりでは中距離は問題なくこなせそう。キレイな頭部の星も含めて、良い馬だと思います。
この記事の作成日は 2018年07月25日 です。