トップ > シルク・ホースクラブ募集馬の考察(2018年) > ラックビーアレディトゥナイトの17(キルケニー)の配合分析と血統評価
ラックビーアレディトゥナイトの2017の血統評価
- 父
- キングカメハメハ
- 母
- ラックビーアレディトゥナイト(9歳時)
- 母父
- Mr. Greeley
- 5代内クロス
- Mr. Prospector 3×4、Northern Dancer 5×5×5
- 性別
- 牡馬
- 生月日
- 4月13日
- 募集総額
- 5000万円
- 入厩予定
- 尾関知人(美浦)
- 測尺
- 体重 : 438kg
体高 : 154cm
胸囲 : 172cm
管囲 : 19.9cm
※ 測尺は 2018年7月上旬 現在の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。
ラックビーアレディトゥナイトの17(キルケニー)の配合分析
ラックビーアレディトゥナイトの17(キルケニー)は、父がキングカメハメハ、母がカルティエ賞最優秀2歳牝馬をとったメイビーの姉ラックビーアレディトゥナイト、母父がミスターグリーリー(Mr. Greeley)という血統です。
母ラックビーアレディトゥナイトの産駒成績
- Mayberain(13 牝 Acclamation)海外6戦1勝
- マイタイムオブデイ(16 牝 オーストラリア)未出走
母ラックビーアレディトゥナイトは、アイルランドで生産されてイギリスで走った馬です。戦績は 7戦0勝。産駒の情報はまだ少なく傾向はわかっていません。
2代母スモラ(Sumora)もアイルランド産の馬ですが、父はデインヒルなので半分アメリカ血統です。自身の競走成績は 13戦2勝。
スモラについて特筆すべきは、その産駒、つまり本馬の母のきょうだいです。ラックビーアレディトゥナイトの翌年に生まれたガリレオ産駒メイビー(Maybe)は、モイグレアスタッドステークス(GI) 勝ち馬。
メイビーの全妹であるプロミストゥビートゥルー(Promise To Be True)も重賞を勝ち、マルセルブサック賞(G1) 2着など活躍しています。
そして今年メイビーの名を一躍有目にしたのが、メイビーが日本で産んだディープインパクト産駒サクソンウォリアー(Saxon Warrior)の存在です。
ラックビーアレディトゥナイトの甥にあたるサクソンウォリアーは、イギリスの 2000ギニーステークスで優勝。イギリスクラシック制覇という日本生産馬初の快挙を達成しました。
母父ミスターグリーリーは、アメリカの短距離ダート戦線で活躍した馬で G3 を 3勝しています。自身は G1 で勝てませんでしたが、多数の産駒がアメリカや欧州、豪州の G1 を勝っています。
ミスプロ奇跡の血量はレイデオロと同じ
父キングカメハメハの EI値は 1.88、母父ミスターグリーリーの BMS としての EI値は 1.10 ということで、父・母父ともに良績を残している種牡馬の組み合わせです。
母父ミスターグリーリーの活躍馬としては、ベストウォーリア(マイルチャンピオンシップ南部杯連覇)、マウントロブソン、ポポカテペトルなど。父サンデー系との相性はとても良いです。
そしてミスタープロスペクター(Mr. Prospector)3×4 クロスと言えば、ダービー馬のレイデオロと同じ奇跡の血量。ノーザンダンサー(Northern Dancer)のクロスもかかっているというのも共通しています。
ただ相違点もあります。レイデオロは父方と母母方でのミスプロクロスですが、本馬は父方と母父方でのクロスである点です。
同じくミスプロ奇跡の血量を持つキンカメ産駒レッツゴードンキ(桜花賞)も、母母方にミスプロがあり、本馬とは血統上のミスプロの配置が異なります。
父方と母父方のミスプロ 3×4 を持つ活躍馬としてはジュライS(OP) 勝ち馬のスタッドジェルランがいますが、大物と呼べる馬はその配置では出ていません。
配合としては悪くはないものの、母父方にサンデー系やロベルト系を持つ G1馬とは、少し違った見方をしなければいけないという割引ポイントはあるでしょう。
本馬の配合の注意事項としては、距離適性が短い可能性がある、ということがあげられます。
父キングカメハメハのミオスタチン遺伝子型は C:T型と考えられており、短距離戦での勝ちが非常に多い母父ミスターグリーリーの産駒傾向を考えると、C:C型が産まれる確率が高いかもしれません。
C:T型に出てくれればクラシックディスタンスも使えますが、そうならない可能性がある、短距離適性が強く出る場合もある、ということを念頭に置いておくべきだと思います。
馬体は抜群だが歩様が硬い
シルクのカタログ「ラックビーアレディトゥナイトの17」より、以下引用します。
発達した筋肉によって凹凸が明瞭に浮かび上がる馬体は、現状でも迫力十分ですが、伸びしろも豊富なことから末恐ろしさを感じます。
特にトモの張りは秀逸で、草地では馬体をグンと沈み込ませた姿勢から、強大な推進力を生み出しています。世界レベルの血統に恥じぬ出来映えであり、常に広い視野を持ちながら育成を施し、大きく飛躍させたい1頭です。
馬体は凄く良いです。全体のバランス、背腰のライン、大きくてしっかりスジの入ったトモ、ほど良い首差し、筋肉で覆われた前腕など、どこをとっても高ポイントです。
特にトモはカタログにもある通りで、半腱半膜様筋と大腿二頭筋のあいだのスジなどがしっかり入っていて、形も容積も好みのタイプです。
写真ではわかりにくいですが、動画を見れば胸前もかなりしっかりしていて、前も後ろもバランスよく発達しているのが見て取れます。
強いて文句を付けるとすれば、前肢が湾膝ぎみであること、若干肢が短く映ること、繋ぎがやや短く見えること、脛の筋肉がやや薄く見えることくらいでしょうか。けっこう挙げてしまいました(笑)。
ただ欠点をあえて探したくなるほど、良い馬体だと思います。
問題は歩様のほうです。飛節の伸びが良くなく、後ろ脚の送りがチョコチョコして踏み込みが浅く見えます。正面からの映像も、尻の振り方などに柔らかみを感じません。
ダートとまでは言わないものの、血統とあわせて見ると、中距離よりはマイルなどの短い距離のほうが得意なタイプに出ているのかもしれないと感じました。
この記事の作成日は 2018年07月25日 です。