トップ > シルク・ホースクラブ募集馬の考察(2018年) > ルージュクールの17(ベイサイドブルー)の配合分析と血統評価

ルージュクールの2017の血統評価

ルージュクールの17

ロードカナロア
ルージュクール(9歳時)
母父
Redoute's Choice
5代内クロス
His Majesty 5×5、Northern Dancer 5×5
性別
牡馬
生月日
2月27日
募集総額
3500万円
入厩予定
矢作芳人(栗東)
測尺
体重 : 483kg
体高 : 155.5cm
胸囲 : 176cm
管囲 : 21.9cm

※ 測尺は 2018年7月上旬 現在の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。

ルージュクールの17(ベイサイドブルー)の配合分析

ルージュクールの17(ベイサイドブルー)は、父がロードカナロア、母がルージュクール、母父がオーストラリアで G1 を 4勝して種牡馬としても活躍したリダウツチョイス(Redoute's Choice)という血統です。

母ルージュクールの産駒成績

  • ノーザンエンブレム(13 牝 メイショウサムソン)11戦0勝
  • ザッツクール(14 牡 ダイワメジャー)8戦0勝
  • スターフィールド(15 セ シンボリクリスエス)6戦1勝 現役
  • ロークアルルージュ(16 牡 クロフネ)未出走

母ルージュクールは中央未勝利(4戦0勝)。地方に転籍するも勝てず引退。産駒は初仔と 2番仔が母と同じ道をたどり、現在も地方で走っているようです(上記の戦績は中央のレースのみ)。

いまのところ、スターフィールドが唯一の中央現役というのが、少し寂しいです。

オーストラリア産の 2代母 Sunday Valentine は不出走で引退。産駒はルージュクールの全姉 El Daana がエドワードマニフォルドS(G2) を勝ち、全妹 Grand Daughter が SAJCオーストラレーシアンオークス(G1) を 2着しています。

母父リダウツチョイスは、世界的に成功した種牡馬であるデインヒルのオーストラリアでの代表的な後継種牡馬で、自身が G1 を 4勝しており、また多くの産駒が G1 を勝っています。

母の産駒はどの仔も平均以上の馬格は有しているようで、実際に本馬もかなり大きく出ています。成長などについてヤキモキすることはなさそうです。

キングカメハメハとデインヒル系の組み合わせ

母ルージュクールは元をたどればアメリカですが、直近の祖母や母父はオーストラリア的な短距離血統。そこにロードカナロアですから、非常に短距離色の強いスピードの勝った配合という印象です。

リダウツチョイスは 1600m 以下で活躍した馬で、産駒にも短距離を勝つ馬が多いですが、たまに 2000m 以上を走る産駒も出ます。

ただそれは相手牝馬が長距離型の遺伝子をもっている場合などであると考えられ、リダウツチョイス自身のミオスタチン遺伝子型が C:T型(中距離適性)であるとは言い切れません。

というわけで、本馬については距離適性は短いと考えておいたほうが無難です。芝向きという点で、預託予定の矢作芳人厩舎は合っていると思います。

ただ、気になる点もあります。キングカメハメハ×デインヒル系(4代内)が、まったく走っていません。

ロードカナロア産駒は現3歳世代がファーストクロップなので、その父キンカメで配合の相性を調べましたが、残念ながら上記の配合では平地重賞を勝った馬はまだ出ていません

デインヒルの父ダンチヒ(Danzig)に網を広げても同じ状況です。産駒自体が少ないというのもありますが、それにしても走らないという印象を受けるのが正直なところ。

唯一、キンカメ産駒ではなくロードカナロア産駒の母父ダンチヒ系で期待できるとすれば、つい先週 1600万下を勝ち上がったダノンスマッシュでしょうか。今後注目したいです。

いまのところロードカナロア産駒の重賞ウイナーは、牝馬クラシック三冠を期待されているアーモンドアイと、フジTVスプリングS(G2) を勝ったステルヴィオの 2頭。

共通するのが、ヌレイエフ(Nureyev)もしくはフェアリーキング(Fairy King)を持っており、そのクロスがあるということなのは有名な話です。

※ ヌレイエフとフェアリーキング(全兄サドラーズウェルズ Sadler's Wells)は 3/4 同血です。

このほかに、母方にホールドユアピース(Hold Your Peace)を持つロードカナロア産駒がそこそこ打率が良いと感じています(アンヴァルやアンフィトリテ、レッドレグナント)。

しかし、前者も後者もどちらの特徴も本馬は持っていません。

本馬は血統的に短距離適性に優れているが、配合的には走った産駒の例があまりなく妙味に乏しい、というのが個人的な見解です。

ロードカナロア産駒らしく幅のあるトモ

シルクのカタログ「ルージュクールの17」より、以下引用します。

骨太な骨格に加え各関節の造りも頑丈であり、1歳馬離れしたその存在感にまず圧倒されます。また恵まれた馬格を覆う筋肉量も豊富ですが、父譲りの柔軟な筋肉ゆえに堅さは微塵も感じさせません。
力強いフットワークながら、一瞬にしてトップスピードに達する瞬発力も兼ね備えており、器用に立ち回るレース巧者ぶりを披露してくれそうです。

ここまで血統や配合についてあまり前向きなコメントをしていませんが、馬体に関しては非常に良いと感じています。

ロードカナロアらしくトモの幅が大きく、また膨らんでおり、1歳には見えない後躯をしています。管囲のとおり前後肢ともにしっかりしており、前腕と管、脛と管のバランスも良いです。

体長と体高のバランスも良く、胴も長躯短背に見えます。全体的に素晴らしいです。

前肢がすこしオフセットニーぎみに見えなくもなく、馬体重が重いことからそこは不安ですが、オフセットによって故障が発生しやすくなるという統計的に有意なデータはないようです。

前肢における著しいコンフォメーション異常が市場および競走成績等に及ぼす影響

あと欠点をあげるとすれば、前繋ぎがかなり寝ていること、管が湿りぎみであること、皮膚が少し厚そうなことくらいです。いずれも気にするほどのことはないと思います。

歩様については、正面から見たときの連動性にすこし難があるだけで、全体的に柔軟性があり、馬格のわりにキビキビと歩けていて好感が持てます。

黒いソックスも好みです(笑)。馬体だけなら、シルク募集馬のなかで特に気に入った馬です。

この記事の作成日は 2018年07月27日 です。

このページのトップへ

トップページ