トップ > キャロットクラブ募集馬の考察(2018年) > ペルレンケッテの17(バンデアミール)の配合分析と血統評価
ペルレンケッテの2017の血統評価
- 父
- ロードカナロア
- 母
- ペルレンケッテ(9歳時)
- 母父
- ディープインパクト
- 5代内クロス
- なし
- 性別
- 牡馬
- 生月日
- 2月13日
- 募集総額
- 4000万円
- 入厩予定
- 萩原清(美浦)
- 測尺
- 体重 : 471kg
体高 : 154cm
胸囲 : 176.5cm
管囲 : 21.2cm
※ 測尺は 2018年8月23日 発表の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。
ペルレンケッテの17(バンデアミール)の配合分析
ペルレンケッテの2017は、父がロードカナロア、母が国内 4勝の上級条件馬ペルレンケッテ、祖母が G1昇格前の独オークス(G2) 優勝のプンティラ(Puntilla)、母父がディープインパクトという血統です。
母ペルレンケッテの産駒成績
- ペルネッティア(15 牝 ノヴェリスト)3戦0勝 現役
ペルレンケッテは若い母馬で、本馬がおそらく 2番仔です(2016年産の仔の詳細不明のため)。
半姉ペルネッティアは 3歳未勝利で苦戦していますが、産駒成績が良いとは言えないノヴェリストが父であることや、彼女自身の馬体重が 300キロ台で強い調教がおそらくできていないことなどが原因かと思います。
2代母プンティラはドイツ馬で、ディアナ賞(ドイチェスオークス)勝ち馬です。プンティラが勝ったときは G2 でしたが、その翌年に G1 に昇格されている格の高いレースです。
プンティラの仔、つまりペルレンケッテのきょうだいはほとんど良績を残していません。1000万下を勝ったペルレンケッテが代表産駒だと思います。血統的には大きな期待はできません。
ペルレンケッテの勝ち距離は 1400m のみですが、血統的にはもっと長い距離を走らせても良かったのではないかと考えています。
母父ディープインパクトは期待薄
ロードカナロア×ディープインパクトという組み合わせは、今年のキャロットの募集馬だけで 4頭います。今後かなり増えそうな印象を受けます。
ディープインパクトは父としてはサンデーサイレンスの後継種牡馬として申し分ない成績を残していますが、母父としては良くありません。
まだ BMS としての初年度産駒が 6歳になったばかりで、産駒に占める古馬の割合が多くなくて成績が安定しない可能性もありますが、それにしても EI値 0.47 は低いと思います(2018年8月24日現在)。
また現3歳世代では、ロードカナロア×サンデーサイレンスは勝ち上がり率 52.6%(10/19)と高く、アーモンドアイを輩出していますが、母父がサンデー系全体となると数値が下がります(42.5%)。
これはロードカナロアの父キングカメハメハと母父サンデーサイレンス、母父サンデー系との相性の関係と同じで、サンデーサイレンスがいかに BMS としても優秀だったかを物語っています。
ちなみにキンカメ×サンデーと、キンカメ×サンデー系では、前者のほうが勝ち上がり率だけではなく 1頭あたり本賞金額も大きいです。
話が逸れましたが、母父ディープインパクトというのは、数値面では強調できる配合ではないと考えています。
しかし良い材料もあります。
ディープインパクトはミオスタチン遺伝子型が、中長距離型とされる T:T型なので、ディープが母父にくるということは、母は確実に C:T型もしくは T:T型で、確実に T を持っていることになります。
カナロアは C:C型だと思われるので、産駒の適性距離伸長を考えると、母父ディープというのは悪くないはずです。
問題はそれが吉と出るか凶と出るか、つまりカナロアの不足を補うものなのか、それとも良さを消してしまうものなのかということですが、本馬は馬体とあわせて見ると上手く融合できているように感じます(後述)。
筋肉も腱も柔らかくダイナミックな歩様
ペルレンケッテの2017(バンデアミール)は、血統や配合については強調できませんが、馬体と歩様は素晴らしいです。
馬体はトモ高でアンバランスに見えますが、本馬は C:C型もしくは C:T型のはずなので、今後、胸前にも筋肉がついてくるだろうと考えています。
馬の成長には個体差があり、母やきょうだいから成長曲線を予測することはできても、確実に見定めることは不可能です。
そのため現状が成長後の形と似ているのか否か、つまり現状がこの馬本来のバランスなのか、それとも成長途上のアンバランスな体型なのかの判断は難しいです。
筋肉の付き方についてはザックリの予測で良いと思いますし、現時点で見るべきなのは、すでにある程度完成しているであろうフレームについてです。
本馬は、前肢も後肢も、管と前腕のバランス、管と脛のバランスが良いです。胸前がやや寂しく、背腰がすこし弱そうですが、トモのボリュームやしっかりした飛節からはスピードの高さを伺えます。
冒頭で示したように、すでに 471キロとかなりの馬体重がありながらも、歩様にはとても柔らかみがあります。
個人的に、大腿筋膜張筋の伸びで筋肉の柔らかさを見て、肩の出方や繋のクッションで関節(腱や靭帯)の張力を見ていますが、ペルレンケッテの17 は筋肉も関節も柔軟性が高いと見ました。
ピッチも高く保ちつつストライドも大きかったカナロアと、豊かなストライドで追い込んだディープとの組み合わせは、一見、緩すぎる産駒が出そうな気もします。
しかし本馬は重厚なドイツ血統をとりこみつつ、トモのボリュームがしっかり出ています。筋肉の容量と柔軟性をあわせ持っているという点で、カナロア×ディープが成功していると思わせる馬体です。
ただ胸囲の数値ほど胸を深く感じさせない点と、少し背が硬そうな歩様であることは気がかりです。
尻がかなり上下しているのはトモ高のせいかと思いましたが、もしかしたら背が硬いことによるなんらかの弊害が出ているのかもしれません。前後躯の連携がうまくとれないとなると怖いです。
自分が感じる欠点はそれくらいです。
血統や配合を加味するとフロアクラフトの17 もいいですが、馬体と歩様だけで選ぶなら、キャロットのカナロア産駒は断然このペルレンケッテを推します。
この記事の作成日は 2018年08月24日、最終更新日は 2018年09月01日 です。