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コケレールの2017の血統評価

コケレールの17

オルフェーヴル
コケレール(13歳時)
母父
Zamindar
5代内クロス
Northern Dancer 5×5×5、ノーザンテースト 5×4
性別
牝馬
生月日
2月12日
募集総額
2400万円
入厩予定
武井亮(美浦)
測尺
体重 : 452kg
体高 : 159cm
胸囲 : 177.5cm
管囲 : 19.7cm

※ 測尺は 2018年8月23日 発表の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。

コケレールの17(アヴァンセヴェリテ)の配合分析

コケレールの2017は、父がオルフェーヴル、母がフランスで 4勝をあげてサンタラリ賞(G1) などを勝ったコケレール、母父がザミンダー(Zamindar)という血統です。

母コケレールの産駒成績

  • ラヴィエベール(牡 13 ディープインパクト)10戦3勝 現役
    日高特別(1000万下)
  • ヴィニー(牝 14 ディープインパクト)3戦1勝 現役
    3歳未勝利

母コケレールは、アイルランドで生産されておもにフランスで走った競走馬。サンタラリ賞(G1) を勝ったほか、アメリカのクイーンエリザベス二世チャレンジカップステークス(G1) で 3着しています。

祖母クラコヴィー(Cracovie)はイギリス産の馬で、フランスで入着というのが最高成績のようです。

クラコヴィーは当たりはずれの大きい繁殖牝馬だったようで、コケレールの弟には重賞勝ち馬のスプリングマスター(Spring Master)がいますが、それ以外の産駒は活躍していません。

と言っても、G1馬と重賞勝ち馬を出しているのですから、良い繁殖牝馬だったことは間違いないでしょう。

曾祖母リュートドサロン(Luth de Saron)も G1馬を含む重賞ウイナーを 3頭出しており、名牝系と言っても過言ではないと思います。

そんな中、すでに繁殖牝馬としてはベテランの域に入ってくるコケレールには、これと言った産駒は出ていません。その理由は、この母系の故障リスクの高さにあると思います。

国内で生まれた 2頭のディープインパクト産駒は、どちらも屈腱炎で長期休養中。JBIS の情報によれば、海外で生まれた産駒 3頭のうち、2頭が不出走です。脚元のリスクが高そうですよね。

海外で 1年、国内で 2年、産駒が出なかった年があることから、母の繁殖牝馬としての質そのものに黄信号がともっているような気もします。

しかし、産駒の質が悪いとは言えません。半兄ラヴィエベールは 1000万下勝ちがやっとに見えますが、その実、10戦中 9連対という素晴らしい安定感を見せています。

降級前の 1600万下でも好走しており、これから大きいところを狙って行こうというところで怪我に泣いてしまいました。ぜひ復帰して頑張ってほしいです。

というわけで、母の繁殖結果は芳しくなく見えるものの、産駒のなかには実力馬もいるので、牝系の優秀さを考えるとある程度の期待はできるのではないかと思います。

オルフェーヴルとミスプロ系は好相性

オルフェーヴル×ミスプロ系は現在のところ、かなり良い成績をおさめています。

エポカドーロ、ラッキーライラックという 2頭の G1馬はともに母父がフォーティナイナー系であることが知られていますが、フォーティナイナー系だけでなくミスプロ系全体がオルフェと好相性です。

勝ち上がり率は、全体の 25.7% に対して 36.8%(7/19)と高い数値をマークしていますし、1頭あたり獲得賞金も前述の 2頭の影響が大きいとはいえ 2741万円と、全体(726万円)を大きく上回っています(2018年8月26日現在)。

血統上にはニジンスキー(Nijinsky)の名前もあり、欧州的な重さが垣間見えます。

しかしカーリアンを介しており、そのカーリアンはニジンスキー産駒のなかでも日本の馬場に対応した産駒を出した種牡馬であるので、それほど気にしなくても良いかもしれません。

問題があるとすれば、ミスプロ系のスピードが伝わらずパワー型に出てしまい、それにニジンスキーが相まって重さが勝ちすぎる場合ですが、後述する馬体の印象からは重さは感じないので個人的には大丈夫だと見ています。

カーリアン産駒のジェネラスを母父に持つミスティックグロウが、2連勝で 500万下を勝っていますが、非常に強い勝ち方を見せているので、オルフェーヴルとカーリアン系の相性も悪くないだろうと楽観しています。

バネとしなやかさを兼備した歩様

コケレールの17 について最も気に入ったのは、血統ではなく歩様です。

馬体はあまり褒められたものではないと思います。体高があり測尺的にはしっかりしていますが、そのぶん馬体が細く薄く映ってしまっています。写真では飛節も弱々しく、力強さに欠ける印象が強いです。

しかし歩様は良いです。

写真で見せるよりは飛節がしっかりしていて、尻はやはり薄いですが、そのわりには後ろからの映像を見てもそこまで非力さを感じさせません。

そして特筆すべきは、繋のやわらかさとその弾性を利用した後肢の運びです。さらに長い肢を活かして、柔らかみのある歩様を実現していると思います。

後躯にくらべて前駆にはそれほどの柔らかみは感じさせず、後躯で得た推進力をうまく活かせていない嫌いもあります。

しかし、常歩とギャロップは別の運動ですし、今後の調教で良い走りに変えていけるような身体の特徴(柔軟性)を持っていると判断しました。

体高のわりに管囲がやや細く感じますし、兄姉の故障を見ていると相応の覚悟は必要だと思います。

ただ、馬体を見ると中長距離型のミオスタチン遺伝子型(T:T型)を持っているように見えるので、筋骨隆々にはならないでしょうし、馬体重も兄姉レベルの重さであればなんとか持ちこたえられそうな気がします。

※ 兄姉はその馬体重で(それが原因かはわかりませんが)故障してしまっているのですが(笑)。

自分で文章を振り返ってもかなり楽観的で、リスクを低く見積もっているように感じますが、それくらいコケレールの2017 には期待しています。

現段階では、ロマン枠のディアデラマドレに次いで最優先を使おうかと考えている馬です。

この記事の作成日は 2018年09月02日 です。

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