トップ > キャロットクラブ募集馬の考察(2018年) > リリサイドの17(リリレフア)の配合分析と血統評価
リリサイドの2017の血統評価
- 父
- ロードカナロア
- 母
- リリサイド(10歳時)
- 母父
- American Post
- 5代内クロス
- Northern Dancer 5×5×5、Lyphard 5×4
- 性別
- 牝馬
- 生月日
- 1月28日
- 募集総額
- 6000万円
- 入厩予定
- 矢作芳人(栗東)
- 測尺
- 体重 : 437kg
体高 : 158cm
胸囲 : 174.5cm
管囲 : 19.4cm
※ 測尺は 2018年8月23日 発表の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。
リリサイドの17(リリレフア)の配合分析
リリサイドの2017は、父がロードカナロア、母がラカマルゴ賞などフランスで 5勝したリリサイド、母父がアメリカンポスト(American Post)という血統です。
母リリサイドの産駒成績
- プルメリアスター(12 牝 ゼンノロブロイ)20戦3勝
- レイリオン(13 牝 ダイワメジャー)22戦2勝 現役
- リスグラシュー(14 牝 ハーツクライ)14戦3勝 現役
東京新聞杯(G3)、アルテミスS(G3)、桜花賞(G1) 2着、ヴィクトリアマイル(G1) 2着、秋華賞(G1) 2着、阪神ジュベナイルF(G1) 2着、サンケイスポーツ杯阪神牝馬S(G2) 3着、関西テレビ放送賞ローズS(G2) 3着、チューリップ賞(G3) 3着 - サトノコメット(15 牝 ダイワメジャー)8戦2勝
- アラスカ(16 牝 オルフェーヴル)未出走
母リリサイドはフランスの競走馬で、11戦5勝。大混戦の仏1000ギニーで 1位入線(6着降着)しており、日本に輸入されて初年度から日本の種牡馬を付けられているようです。産駒はすべて牝馬。
未出走のアラスカを除くと、地方 2勝のサトノコメット以外の 3頭はすべて中央で 2勝以上しています。
ご存知のとおりリスグラシューは重賞勝ち馬で、阪神JF・牝馬クラシック・ヴィクトリアマイルなどの G1レースで 2着4回と成長しつつこなして、4歳馬ながらすでに歴戦の猛者という感じ。
初仔のプルメリアスターはキャロットクラブの引退期限により引退となりましたが、1000万下で 2着3回と好走していたので、期限がなければ実力的にはもう少し上で戦えたかもしれません。
レイリオンも近2走で 3着2着と好走しており、準オープンレベルの力を持っていそうです。
というわけで、未出走の産駒を除くと 3/4 で中央 2勝以上、うち 1頭は重賞ウイナーで G1連対常連なので、母リリサイドはかなり良い繁殖牝馬だと思います。
ロードカナロアとネイティヴダンサー系の組み合わせ
ロードカナロア×ネイティヴダンサー系(非ミスプロ系)というのは、現3歳世代にはほぼいないと思いますし、今後もあまり現れないでしょう。ミスプロを介さないネイティヴダンサー系は日本では繁栄していないからです。
というわけでまとまったデータはなく、かわりにミスプロ系で見てみると、勝ち上がり率 18.2%(2/11)と非常に低いです。
キングカメハメハ×ミスプロ系だと 40.5% とそこそこですが、キンカメ産駒全体の数値を下回っています。リバティハイツという重賞ウイナーが出ているものの、1頭あたり本賞金額も全体を大きく下回っています。
相性云々の前に、ミスプロ系の良い繁殖牝馬がいないことが影響しているのかもしれません。
繁殖牝馬の質という意味ではリリサイドは良いですが、これまで付けられた種牡馬はすべてサンデーサイレンス系です。
リリサイドの17(リリレフア)の姉の競走成績にはその相性が反映されている可能性があり、父がロードカナロアにかわった今回、同じように出来の良い競走馬が出るかどうかは未知数でしょう。
馬体はリスグラシューと似ている
リリサイドの2017 の馬体は、半姉リスグラシューの募集時のそれと似ていると思います。
特に首差しやトモの形が似ており、姉は父がハーツクライでやや胴長に出ていること、妹の本馬はカナロア的なバランスにおさまっていることを考慮すると、それ以外は母のエッセンスが各所に出ていることが伺えます。
※ リスグラシューが斜尻で、リリサイドの17 はそれほどでもないですが、トモ全体の形状としては似ています。
生月日が 10日ちがい、測尺発表が 3日ちがいなので比較しやすいですが、体高や胸囲はほぼ同じだった姉は、馬体重が 465キロと 30キロ近く重かったよう。
本馬の腹袋は写真で見るとシュッとしていますが、動画で見るとむしろ募集時のリスグラシューよりも出ているので、それで 30キロ近く小さいとなると、骨量のほか筋肉量もそれほどではないのかもしれません。
母もレイリオン以外の姉も短い距離を主戦場にしており、父カナロアということでミオスタチン遺伝子型は短距離型の C:C型かと思っていましたが、それであればこの時期にもっと筋肉があってもおかしくないはず。
本馬は C:T型に出ていて、心肺機能さえ伴えばすこし長めの距離もつかえるのではないかと推測します。
姉はみんな 410〜430キロほどでデビューしており、リスグラシューも募集時の馬体重から想定されたような成長は遂げなかった様子。本馬も、馬体重はそれほど増えないと考えて良いと思います。
馬体はカナロア産駒らしいまとまりのあるバランスで、首はしっかりしていて好みのタイプです。飛節はある程度の太さがあり、それでいてカッターのような鋭さも持っていて良いです。
大腿筋膜張筋の伸びを見ると筋肉は柔らかそうですが、ほかのカナロア産駒ほどの歩幅はなく、肩の出を見ても、関節はけっこう硬そうな印象を受けます。
馬体から想定される遺伝子型からは距離がすこしもちそうと書きましたが、関節の硬さからは中距離が走れるかはわからないです。
それでもレイリオンが近走で好走している、2000m くらいまではいけるのではないかと考えています。
左後肢をあげたときに飛節が内側へ寄る動きや、右前肢が若干オフセットぎみなのが気になる人もいるかもしれませんが、個人的には無問題だと思います。
血統は良いものの、馬体と歩様はすごく強調できるというわけではなく、6000万円というのはさすがに高いと感じてしまいます。
この記事の作成日は 2018年08月25日、最終更新日は 2018年09月01日 です。