トップ > 東京サラブレッドクラブ募集馬の考察(2018年) > レッドファンタジアの17(レッドベルジュール)の配合分析と血統評価
レッドファンタジアの2017の血統評価
- 父
- ディープインパクト
- 母
- レッドファンタジア(7歳時)
- 母父
- Unbridled's Song
- 5代内クロス
- Northern Dancer 5×5
- 性別
- 牡馬
- 募集総額
- 7000万円
- 入厩予定
- 藤原英昭(栗東)
- 測尺
- 体重 : 412kg
体高 : 157cm
胸囲 : 169.5cm
管囲 : 20.2cm
※ 測尺は 2018年7月1日 現在の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。
レッドファンタジアの17(レッドベルジュール)の配合分析
レッドファンタジアの17(レッドベルジュール)は、父が誰もが知っている日本競馬の代表ディープインパクト、母がレッドファンタジア、母父がアメリカのダートG1 を 2勝したアンブライドルズソング(Unbridled's Song)という血統です。
アンブライドルズソングは、日本では種牡馬としてよりも BMS として成功しており、EI値は 1.36 と高めです。
父ディープではダノンプラチナ(朝日杯フューチュリティS)、父ハーツクライではスワーヴリチャード(大阪杯)が代表馬です。
母系の産駒成績
母レッドファンタジアは現役時代は 9戦0勝。2014年に繁殖入りして、それから 4年連続でディープを付けられています。繁殖牝馬として期待されているのでしょう。
若い母のため、現在のところデビューした産駒は 2015年産の全姉レッドベルローズのみ。新馬戦を勝ったあと、フェアリーS(G3) を 3着。その後 500万下に勝ち、現在は 5戦2勝で、今後が楽しみです。
母母 Cat Chat は、アメリカで繁殖牝馬として生活しているようで、日本に輸出された産駒は本馬の母レッドファンタジアと、繁殖入り後に日本に導入されたレッドファンタジアの 1つ上の姉 インランジェリーのみです。
インランジェリーはアメリカのダートG1 スピンスターS のほか、北米で重賞を 2勝しています。
Cat Chat にはキングマンボ(Kingmambo)や A.P. Indy、Smart Strike、Tapit などの実績のある種牡馬が付けられていますが、インランジェリーを除いて目立った産駒はいません。
Cat Chat 自身はアメリカのダートG2 ナッソーカウンティS を勝っています。
インランジェリーという G1馬が出ていること、ディープが連続で付けられていること、全姉のレッドベルローズが順調に勝ち上がり開花しつつあることが、この血統のセールスポイントです。
母父アンブライドルズソングの配合
ディープインパクト産駒の実績については、言うまでもないでしょう。ディープは、2012年から昨年まで 6年連続でリーディングサイアーに輝いている歴代屈指の名種牡馬です。
特別レースでももちろん強いですが、改めてデータを見ると新馬戦の勝率が 23.1%、複勝率が 50%超…異常ですよね…。
ざっくり言うと、母父はニアークティック系(代表ストームキャット Storm Cat)やネイティヴダンサー系(代表キングカメハメハ)が相性が良いです。
ディープ×アンブライドルズソングの代表馬は先述のとおり、朝日杯を勝ったダノンプラチナ。この組み合わせの産駒はこれまで 111走しており、勝率 18.0% と、ディープ産駒全体の 12.6% を大きく上回っています。
サンデー系×アンブライドルズソングで見ると、スワーヴリチャード、トーホウジャッカルなども出てきます。
ダノンプラチナもこの 2頭も、その母が Raise a Native クロスを持っていること、母母の血統の遠くない位置に、ナスルーラ(Nasrullah)×プリンスキロ(Princequillo)を持っていることが共通しています。
スワーヴリチャードの母母キャリアコレクションはシアトルスルー(Seattle Slew )とリバーマン(Riverman)が該当。
ダノンプラチナの母母 Magical Allure はシアトルスルー、トーホウジャッカルの母母 Agami は自身にナスキロを保有しています。
レッドファンタジアには Raise a Native クロスはありませんが、Cat Chat の父ストームキャットの血統上には、ボルキロ(ナスキロ)を含むセクレタリアト(Secretariat)が 4代目に位置しています。
アンブライドルズソング産駒にそういう傾向が多い、と言えばそれまでです。
しかしアンブライドルズソング自身、父父 Fappiano と母 Trolley Song がナスキロ持ちなので、代重ねによってそれを強めた結果、孫世代に大物が出ているという見方もできます。
個人的には、お値段なりの価値がある配合なのかなあと感じています。
トモは小さめだが歩様は素晴らしい
レッドファンタジアの17 は、4月生まれのディープ産駒にしては十分な馬格があると思います。ひとめ見て目立つのが肢の長さで、体高 157cm というのは頷けます。
すでに胸前がやや発達しており、トモ高というよりはキ甲も少し高く見えることから、ここから大きく成長するのかどうかは慎重に見極めたいところ。
トモはほかのディープ産駒同様、あまりボリュームを感じません。斜尻なのも影響していると思いますが、脛の雰囲気もあわせて、力強さという点ではあまりポジティブな見方はできません。
ただ後ろから見たときに、臀にしっかりとスジが入っているのは良いですね。
肩も繋ぎも角度はバッチリで、管囲があり球節も大きく、肢は前後ともにどの角度から見てもキレイで、写真を見た限り脚元の不安はなさそうに思えます。左後一白なのもポイント高いです(笑)。
気になるのは、肋(ロク)の薄さです。アバラが浮き出ています。ただ頬がそこまで小さいとも感じないし、馬体重も問題ないし、カタログによる「無駄な肉が付かない体質」という言葉を信じたい気持ち。
歩様は素晴らしいと思います。前脚の出も後脚の踏み込みも良いし、柔らかくスムーズに歩けています。前後からの映像を見ても、変なクセはなし。なにより、ディープ産駒らしく気性が良さそうです。
馬体にマイナスポイントはあるものの、血統・配合・馬格・歩様・育成・厩舎すべてがそろっており、人気なのも当たり前の 1頭だと思います。
この記事の作成日は 2018年07月10日 です。