トップ > 東京サラブレッドクラブ募集馬の考察(2018年) > ラグジャリーの17(レッドラルジュ)の配合分析と血統評価
ラグジャリーの2017の血統評価
- 父
- オルフェーヴル
- 母
- ラグジャリー(19歳時)
- 母父
- Storm Cat
- 5代内クロス
- Northern Dancer 5×4、ノーザンテースト 5×4、Prince John 5×5
- 性別
- 牝馬
- 募集総額
- 2400万円
- 入厩予定
- 木村哲也(美浦)
- 測尺
- 体重 : 442kg
体高 : 154cm
胸囲 : 175cm
管囲 : 20cm
※ 測尺は 2018年7月1日 現在の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。
ラグジャリーの17(レッドラルジュ)の配合分析
ラグジャリーの17(レッドラルジュ)は、父が栗毛の英雄「俺たちのオルフェーヴル」、母がアメリカ産のラグジャリー、母父が北米リーディングサイアーに輝き、ディープとの間に名馬を産んでいる Storm Cat という血統です。
オルフェーヴル牝馬と言えば、ラッキーライラックが阪神ジュベナイルフィリーズを勝ち、春の牝馬クラシック戦線でも好走を続け、秋以降も期待されています。
牡馬もエポカドーロが皐月賞優勝のあと日本ダービーを 2着して、当たれば大きいというのを見せてくれています。そう、当たれば大きいのですよね…。
母ラグジャリーの産駒一覧
本馬の母ラグジャリーの産駒実績を見てみましょう。彼女はアメリカで 1頭産んだあと日本に導入されて、2頭の重賞ウイナーを出しています。
- ストリートスパン(05 牡 Street Cry)4戦0勝
- レイラニ(06 牝 キングカメハメハ)5戦1勝
- スマートムービー(07 牝 サクラバクシンオー)25戦3勝
閃光特別(500万下) - ショウナンマイティ(08 牡 マンハッタンカフェ)22戦4勝
産経大阪杯(G2) 同2着、安田記念(G1) 2着・3着、宝塚記念(G1) 3着、鳴尾記念(G3) 2着2回、大阪城S(OP) 2着 - ラグジュリア(09 牝 ゼンノロブロイ)7戦0勝
- ダークインテジャー(11 牡 シンボリクリスエス)8戦0勝
- ムーチャスエルテ(13 牡 ヴィクトワールピサ)5戦0勝 現役(地方)
- マイティドリーム(14 牡 ディープインパクト)13戦0勝 現役(地方)
- ゴーフォザサミット(15 牡 ハーツクライ)7戦3勝 現役
テレビ東京杯青葉賞(G2) - フッカツノジュモン(16 牡 オルフェーヴル)未出走
オルフェーヴル産駒はアタリはずれの差が激しいと言われていますが、母ラグジャリー産駒も、重賞ウイナーが 2頭出ているもののそれ以外の産駒は少し…という点が似ていますね。
余談ですが、全兄のフッカツノジュモンの写真を見ると、(強風のせいか)たてがみが荒々しく揺れ、筋骨隆々の馬体と相まってめちゃくちゃ強そうに見えます(笑)。
ダビスタを作った薗部さんが馬主らしく、大変おもしろい命名をされてますね。
オルフェーヴル産駒の傾向
オルフェーヴル産駒が走っているのは 2015年産からで、まだデータと言えるほどの情報量がそろっていません。
その中でもなんとか傾向を見ようと 2015年世代の勝ち上がり率を確認したところ、全体で 22.8%、牝馬 20.0% というかなり低い数値が出ました。
初年度ということで、期待されてかなり高水準の繁殖牝馬があてがわれたことは数値上も見て取れますが、それでもこの戦績です。
反面、特別レースには 29回出走しており、かなりの勝率を誇っています。ご存知のとおり G1 勝利馬も 2頭出ています。よく言われる「ホームランか三振か」というのはその通りかもしれません。
ミスプロ系とナスキロ配合
オルフェーヴル産駒で当たりの馬を見てみると、G1 勝ち馬のエポカドーロとラッキーライラックはともに母父方にフォーティナイナー系を有しています。
ラッキーライラックについては母系でミスタープロスペクター(Mr. Prospector)のクロスも発生しており、こういったアメリカのスピード血統が相性が良いと推測できます。
もうひとつ、ナスルーラ(Nasrullah)とプリンスキロ(Princequillo)の組み合わせ、いわゆるナスキロ(もしくはボルキロ)と呼ばれる血統も含んでいる馬が、オルフェの実績馬には多いです。
※ ボルキロはボールドルーラー(Bold Ruler)×プリンスキロ。
エポカドーロは File、シェイディハイツ(Shirley Heights - Mill Reef)を経由してナスキロを得ていますし、ラッキーライラックの血統にもシアトルスルー(Seattle Slew)がいます。
また、最近500万下を勝ったレーヴドリーブにいたっては、Riverman と Hairbrush にナスキロが、Kenmare にはロイヤルチャージャーを経由した疑似ナスキロが入っており、さらに別途、疑似ナスキロクロスすら含まれています。
あとは個人的に活躍を期待していたクリノクーニングにも、Riverman が含まれています(屈腱炎発症は本当に残念です)。
さて、それを踏まえてラグジャリーの17 の配合を見てみましょう。
母父ストームキャット(Storm Cat)ということで、当然セクレタリアト(Secretariat)を介してボルキロを内包しています。
また母母父のアレッジド(Alleged)はプリンスキロのクロスを持っており、母母母(3代母)にもプリンスキロが含まれ、本馬自身にプリンスキロ産駒の Prince John のクロスがあります。
ミスプロこそ 5代内に位置しないものの、ボルキロの柔らかさが伝われば、ストームキャットの力強さを補い、スピード勝負に向く仔が産まれてもおかしくない配合だと思います。
ストームキャット産駒は日本の馬場には合わないパワー型が多いと言われていますが、BMS(母父)としては高速競馬に対応できる馬も多数出ていますし、オルフェとの相性はロックディスタウンで証明済みです。
※ ロックディスタウンも、喉鳴りの件は残念でした。手術は無事に済んだようなので、ゆっくり休んでいつかまたターフに戻ってきてほしいです。
きょうだいも芝で元気に走っていますし、本馬も芝で良い競馬を見せてくれることを願っています。
トモの迫力とキレイな肢形
本馬をカタログや動画で見るたびに言っているのが、「いいケツしてんな〜」というセリフです。
トモは横から見てもかなり幅があると感じますが、圧巻なのは後ろから見たときのスジの入り方です。そのくせ後肢はスッと綺麗に見せますし、飛節の角度も標準的。
馬体の影がないことから、撮影時は曇っていたと思うのですが、もし晴れていればさらに陰影がクッキリとして、トモの迫力が際立っていたのではないかと想像しています。
前肢は前から見ても横から見てもキレイで、繋ぎの角度もちょうどいいです。肩の角度も普通です。
3月30日と平均的な時期の生まれながら、442kg と馬格はすでに十分。母が高齢ですが、これだけしっかりサイズが出ていると、能力もきちんと伝わっていそうに感じますね。
胸囲 175cm というのも、見た目より大きい数値に感じます。もしかすると、けっこう肢が長いのかもしれません。また皮膚はかなり薄く見えて、血管の浮き出方が個人的に好みのタイプ。
マイナスポイントは、抱きがやや広くパワータイプに出ているのかな、ということと、毛色がオルフェっぽくないということ、その割には顔はオルフェっぽくてあまり可愛くないかなということくらいです(笑)。
真面目に言うと、繋ぎが前後肢ともに少しだけ窮屈に見える点が、気になる部分でしょうか。
歩様は、全体的にサッサッと脚が出ていて動きはとても良く見えます。集中して歩けていますので、気性もいまのところは悪くないのではないでしょうか。
両前脚がまあまあな外弧歩様ですが、あれくらいなら個人的にはセーフ。後脚はもう少し柔らかさがほしいですが、踏み込みの幅はちょうどよく、それも及第点です。
顔つき、特に目つきがオルフェらしく、社台スタリオンステーションに彼を見に行ったことを思い出して嬉しくなれるので、東サラのオルフェ仔ならこの仔に出資したいなあと考えています(出資するとは言ってない)。
この記事の作成日は 2018年07月09日 です。