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レジェンドトレイルの2017の血統評価

レジェンドトレイルの17

キンシャサノキセキ
レジェンドトレイル(14歳時)
母父
フレンチデピュティ
5代内クロス
Northern Dancer 5×5、Bold Ruler 5×5
性別
牝馬
募集総額
1200万円
入厩予定
安田隆行(栗東)
測尺
体重 : 412kg
体高 : 150cm
胸囲 : 169.5cm
管囲 : 19.5cm

※ 測尺は 2018年7月1日 現在の情報です。
※ 写真などの掲載について、クラブに許可を得ています。

レジェンドトレイルの17(レッドヴェイパー)の配合分析

レジェンドトレイルの17(レッドヴェイパー)は、2018年度の東サラ募集馬のなかで、募集総額が最低金額の仔です。こういうのを見ると、天邪鬼な性格の者としてはうずいてしまうところがあります。

なぜ 1200万円という低額なのか不思議ですが、ひとまずレジェンドトレイルの産駒を見てみましょう。

  • アドマイヤジャガー(07 牡 ネオユニヴァース)霞ヶ浦特別(1000万下) 25戦4勝
  • アドマイヤパーシア(08 牡 ゼンノロブロイ)3歳上500万下 24戦2勝
  • プリームス(09 牝 フジキセキ)4歳上1000万下 8戦3勝
  • グロリアストレイル(11 牡 ネオユニヴァース)10戦0勝
  • ピックミータッチ(13 セ ゼンノロブロイ)4歳上500万下 14戦3勝 現役
  • カーネリアン(14 牝 ゼンノロブロイ)4歳上500万下 10戦2勝 現役
  • ヴォウジラール(15 牡 ハーツクライ)早苗賞(500万下) 5戦2勝 現役
  • グランデストラーダ(16 牝 ハーツクライ)未出走

上記が全産駒ですが、ネオユニヴァース産駒のグロリアストレイル(と新馬のグランデストラーダ)を除いて全ての産駒が勝ち上がっています。大きな成績は残さないものの、コンスタントに走る馬を出している印象です。

フジキセキ産駒のプリームスはもっと走れそうでしたが、繁殖牝馬にあげられて最初の年から2年連続でロードカナロアを付けられていることから、馬主さんが繁殖として期待したかった感じが見受けられます。

ハーツクライ産駒のヴォウジラールは夏中にもう 1戦使われるようで、今後に期待できる 1頭だと思います。ちなみにレジェンドトレイル自身は不出走。母系をもう少し見ましょう。

アイルランド産の 2代母(レジェンドトレイルの母)ハッピートレイルズは、カーリアン(Caerleon)との間に、マイルチャンピオンS(G1) 優勝・2着、安田記念(G1) 3着ほか重賞をいくつも勝ったシンコウラブリイを産んでいます。

その他にも、タイキマーシャル(エプソムC)、ハッピーパス(京都牝馬S)などの重賞ウイナー、あとはノーザンテーストとの間に2頭の良績馬を産んでいます。

重賞ウイナーの血統を見ると、すべてアウトブリードの配合。そして、うち2頭はニジンスキー(Nijinsky)系です。

一方で、レジェンドトレイルはアメリカ血統のフレンチデピュティを付けられており、Bold Ruler 4×4 クロスでナスルーラ(Nasrullah)の血が強調されています。

サンデー系との相性が良いのは、ナスルーラと 3/4 同血のロイヤルーチャージャー(Royal Charger)を祖先に持つからでしょうか。単純にサンデー系が付けやすいだけだからですかね(笑)。

母父フレンチデピュティは EI値 1.20 ということで、かなり優秀な部類だと思います。基本的にはダート色が強いようです。

しかし、ジャパンC などを勝ったショウナンパンドラ(父ディープインパクト)、天皇賞(春)のレインボーライン(父ステイゴールド)、ダービー馬マカヒキ(父ディープ)などを見ると、父の良いところを引き出すイメージもあります。

芝よりダートの勝率がかなり高いキンシャサノキセキ産駒とは、相性も良いかもしれません。

レジェンドトレイル自身がキンシャサの父フジキセキと交配しており、その産駒が勝ち上がっていること、また本馬は、今後が期待できる上のハーツ産駒と同じクロス、似通った血統であることなども好材料。

短距離戦やダート戦に強い安田隆行厩舎に預託予定ということを見ても、クラブの方針もハッキリしていそうで、順調に育ってくれれば来年夏にデビューしてくれると踏んでいます。

そしてあわよくば、新潟芝 1000m で力走してほしいです。

右前肢の極端な外弧歩様

血統背景は説明したとおりで、母の産駒実績を見ても勝ち上がりは期待できそうだなと思っています。

馬体も良く見えます。トモの形はあまり好みではないですが、ボリュームは及第点。まだトモ高でありながら、胸前もすでにかなりしっかりしていて、筋肉はかなり付きそうな気がします。目もかわいい。

「直飛ぎみだし、肩も繋ぎもやや立ちぎみだから、やはりダート向きかな〜」

などと募集動画を見ていたら、ひとつ懸念点が浮かび上がりました。それは右前肢の極端な外弧歩様です。

歩様全体としてはリズムよく、集中して歩けていて、4月下旬生まれとしては合格点をあげられます。この動画を見るかぎりでは、気性もなかなか良いのではないでしょうか。

しかし、前肢も後肢も全体的にやや大き目な弧を描きながら出しており、特に右前肢のそれが顕著なように感じられました。

調教によって改善されるなら無問題ですし、このままでも走りに無理が出ないなら嬉しいですね。馬体や歩様のクセからくる健康面の懸案事項については、一口馬主としてはどうしてもデリケートになってしまいます。

…と、ネガティブな情報も出しましたが、血統・母馬・価格・厩舎など、出資に前向きな情報も多くある馬なので、個人的に検討するつもりです。

この記事の作成日は 2018年07月08日 です。

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