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ルーラーシップの種牡馬成績

ルーラーシップ

AEI
1.49
CPI
0.93
AEI/CPI
1.61
勝ち上がり率
全体 : 41.7%
牡馬 : 46.8%
牝馬 : 35.8%
1頭あたり本賞金
全体 : 1109万円
牡馬 : 1381万円
牝馬 : 795万円
牝/牡(1頭本賞金)
57.54%
2勝馬率
18.30%
セン馬率
4.76%

※ 中央(芝・ダート)のみ、2018年9月14日現在の情報。
※ AEI関連は 2014〜2016年産、他は 2014〜2015年産のデータ。
※ 画像はキャロットクラブより転載(許可を得ています)。

初年度産駒からクラシック勝ち馬のキセキを輩出したルーラーシップ。産駒の活躍の場が中長距離だからなのか、ロードカナロア産駒ほどの派手さはないですが、成績データはのきなみ高水準です。

ただ AEI/CPI がかなり高く見えますが、これはロードカナロアやオルフェーヴルの記事でも述べているとおり、若い世代で算出しているのでそこまで参考になりません。

しかし、上記 2頭との違いは、CPI の算出期間を 10世代までひろげても、数値が 1.39 までしか上昇しないこと。

つまり、ルーラーシップ産駒の母はカナロアやオルフェの相手ほど高級ではなく、産駒が現状と同じレベルの活躍を続けていけば、AEI/CPI は常に 1.00 を上回りそうです。

端的に言えば、良い種牡馬であり、産駒は平均以上の活躍をしてくれるであろうということ。

…いえ、リーディング上位なので当たり前ではあるのですが、データ的にすごく良い種牡馬だと思ったので、あらためて書かせてもらいました(汗)。

また同じキングカメハメハを父にもつロードカナロアとは違い、産駒のセン馬率が非常に低いです。これは気性も関係しているでしょうが、馬体がサラブレッドとして良い形に出ているということかもしれません。

ルーラーシップのミオスタチン遺伝子型は T:T型であると個人的に考えており、もしそれが正しければ、産駒は筋骨隆々にはなりにくく、2000m以上の中長距離を得意とする馬が多いはずです。

もし気性も良く、また首が太くなりすぎたり、筋肉が硬くなりすぎたりしないのであれば、血統どおりに中長距離で活躍する馬が今後もたくさん出てくるでしょう。

ところで気性については、反対の意見も見られます。

ルーラーシップの出遅れ癖に見られる気性の悪さが、産駒にも遺伝しているのではないか、という話です。しかし、あくまでセン馬率からは気性の悪さはうかがえません。

もちろん、単一の指標で気性を測るのは無理がありますし、まだまだデータ不足であることは頭の片隅に置いておく必要はあるでしょう。

上記のデータは現3〜4歳世代のもので、記載のとおり 9月中旬現在のもの。これから 1頭あたり本賞金や 2勝馬率など各数値が上がっていくはずです。

クラシックディスタンスを走れる産駒が安定的に出て、平均的な競走馬以上の成績を残せる。そして種付け料は短距離適性の高いロードカナロアの半額(2018年現在)。

なにより、サンデー系牝馬の多い国内の馬産事情に適している。というわけで、とてもお得かつステキな種牡馬だと思います。

ルーラーシップのBMS相性

母父 勝上 総数 勝上率 1頭賞金 重賞代表
ディープインパクト 8 13 61.5 2170 キセキ
クロフネ 4 12 33.3 1917
ゼンノロブロイ 2 3 66.7 1738
サンデーサイレンス 19 36 52.8 1703 ダンビュライト
マンハッタンカフェ 1 4 25.0 1624
スペシャルウィーク 3 7 42.9 1309
Sadler's Wells 1 2 50.0 1045
フジキセキ 9 19 47.4 1023
アグネスタキオン 7 21 33.3 1000
ネオユニヴァース 3 5 60.0 896
アドマイヤベガ 2 3 66.7 880
ダンスインザダーク 4 11 36.4 838
シンボリクリスエス 3 10 30.0 501
ブライアンズタイム 1 3 33.3 493
フレンチデピュティ 1 6 16.7 474
サクラローレル 0 2 0.0 165

※ 中央(芝・ダート)のみ、2014〜2015年産(現3〜4歳)のみ、レース機会 20以上の母父(BMS)のみ、2018年9月21日現在の情報。

ルーラーシップの母父系の相性

母父系 勝上 総数 勝上率 1頭賞金 重賞代表
シアトルスルー 2 2 100.0 3275
サンデーサイレンス 61 134 45.5 1288 キセキ
ニアークティック 11 36 30.6 1066 テトラドラクマ
ロイヤルチャージャー 2 5 40.0 877
ミスプロ 9 16 56.3 866
ナスルーラ 5 9 55.6 830
ロベルト 4 17 23.5 388
ヌレイエフ 0 3 0.0 367
ダンチヒ 1 6 16.7 304

※ 中央(芝・ダート)のみ、2014〜2015年産(現3〜4歳)のみ、レース機会 20以上の母父系のみ、2018年9月21日現在の情報。
※ 独自に系統を分類しています。大系統のデータに小系統のデータは含まれません。

ルーラーシップと BMS や母父系との相性という点では、サンデーサイレンス系は期待どおりの成果を出しており、そのなかで特にディープインパクトが良さそうという雰囲気です。

ロードカナロアとの大きな違いは、データ数は少ないものの、ミスタープロスペクター(Mr. Prospector)系が合うという意外な点です。

カナロア×ミスプロ系の勝ち上がり率は 18.18%(2/11)と壊滅的ですが、なぜかルーラーシップには合います。馬体の性質なのか、母系によるものなのか、理由は僕にはわかりません。

ただミスプロ系との相性については、勝ち上がり率は良いものの大物はまだ出る気配がないので、その点については今後見ていく必要があるでしょう。

ニアークティック系との相性は、勝ち上がり率的には良くなさそうですが、クイーンカップを勝ったテトラドラクマが出ています。

母父クロフネでも、重賞勝ちこそないものの明らかにレベルは G1級のリリーノーブルが出ていますので、母父ニアークティック系は平均値は低いが一発ある、と個人的にメモしておこうと思います。

ただ、その一発を当てられる相馬眼が自分にあるとは思えないですが…(泣)。

ルーラーシップ産駒の距離適性

距離 勝率 連対率
芝〜1600 7.46 17.01
芝1400〜2400 10.83 21.37
芝2000〜 14.13 23.26
ダ〜1400 6.49 14.94
ダ1600〜 8.80 15.89

※ 中央(芝・ダート)のみ、2018年9月17日現在の情報。
※ 芝の距離区分がかぶっていますが、ミオスタチン遺伝子型の別による得意距離ごとに集計しているためです。

冒頭でも述べたとおり、ルーラーシップのミオスタチン遺伝子型は、中長距離適性のある T:T型だと思われます。

実際に、産駒の距離別勝率もそれを裏付けています。最も勝率と連対率が高いのが、T:T型が得意とする 2000m以上のレースになっています。

同じく T:T型であるディープインパクト。その産駒との組み合わせでは、ディープ牝馬がかならず T を持っており、C:T型または T:T型であるため、50%以上の確率で T:T型が産まれます

T:T型は筋肉がほかの型にくらべてつきにくく、一般的には晩成型の傾向を示します。

それでありながら、ルーラーシップ×ディープインパクトの勝ち上がり率は 61.5% と高い数値を出しています。

これはディープの影響で早熟傾向が出ているのかもしれませんが、もしそうでないのならば、勝ち上がった馬たちが今後さらに成長して、大きな活躍をしてくれるのではないでしょうか。

ルーラーシップとディープの良いとこどりの産駒がたくさん出たらいいなあ、と甘い期待をしてしまいます。

この記事の作成日は 2018年09月26日 です。

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