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キンシャサノキセキの種牡馬成績

キンシャサノキセキ

AEI
1.23
CPI
1.12
AEI/CPI
1.10
勝ち上がり率
全体 : 38.9%
牡馬 : 43.6%
牝馬 : 33.7%
1頭あたり本賞金
全体 : 1194万円
牡馬 : 1529万円
牝馬 : 827万円
クラシック出走率
全体 : 0.42%
牡馬 : 0.78%
牝馬 : 0.00%
牝/牡(1頭本賞金)
54.07%
2勝馬率
17.84%
セン馬率
6.70%

※ 中央(芝・ダート)、2012〜16年産、2018年9月14日現在の情報。
※ クラシック出走馬率のみ 2012〜14年産、10月08日現在。

高松宮記念を連覇して、スプリンターズS で 2度 2着したキンシャサノキセキ。函館2歳ステークスを勝った産駒カシアスが、オーストラリアに移籍して「Kemono」と馬名変更されて話題になりました。

戦績を見ればわかるように、キンシャサノキセキのミオスタチン遺伝子型は短距離適性のある C:C型だと思われます。

肩に烙印を押されていることからもわかりますが、彼は豪州生まれ。短距離の番組が多いとされる母国の豪州に、産駒が移籍したというのはなんだか嬉しいですが、しかしネーミングセンス…。

気を取り直して成績を見ましょう。

当サイトで集計している種牡馬リーディング上位 20頭ほどのなかでは、各数値でだいたい真ん中からやや下のあたりに位置しています。

AEI は年齢補正をしてもやや低調。AEI/CPI も、中央値をすこし下回ります。勝ち上がり率はちょうど真ん中という感じで、仕上がりが早く 2歳夏からレースに使えるのが影響していそうです。

1頭あたり本賞金は、下から数えて 5番目。まだ若い種牡馬で古馬の割合がほかの種牡馬にくらべて小さく、この数値が低く出てしまうのは仕方ないところでしょう。

ただすでに、より若く世代数の少ない種牡馬であるルーラーシップに迫られており、中距離で活躍できないことがやや影響している様子も見てとれます。

クラシック出走馬率は非常に低いです。これは距離適性などを考えると仕方ないと思います。募集総額も低いですし、一口馬主としての出資目的も回収率重視という方が多いのではないでしょうか。

牡馬に対する牝馬の賞金の割合は、54.07% とそこそこ良い数字。積極的に牝馬を買いたいとは思いませんが、良いと思った募集馬が牝馬だったとしても、出資を思いとどまるほどではないレベルです。

サンデーサイレンス系の短距離馬にしてはセン馬率は低く、好感がもてます

もしこのまま、2〜3歳時に良績をあげて、そのアドバンテージで平均的な種牡馬よりも稼ぐというスタイルを続けていると、AEI は頭打ちになって、いずれもう少し種牡馬としての順位を下げるかもしれません。

価格が安く出資の敷居が低いですし、実際に回収率も高く良い種牡馬ではありますが、じりじりと価格が上がってきているのを見ると、個人的には、今後の出資においては選定が大事になると思います。

キンシャサノキセキのBMS相性

母父 勝上 総数 勝上率 1頭賞金 重賞代表
Gold Alert 1 1 100.0 7607
エリシオ 2 3 66.7 3341
エーピーダンサー 2 2 100.0 3035
Sadler's Wells 1 3 33.3 2794
サクラユタカオー 1 2 50.0 2765
Storm Cat 3 3 100.0 2620
トニービン 4 8 50.0 2574
タイキシャトル 6 8 75.0 2278
タバスコキャット 1 2 50.0 2191
グラスワンダー 2 6 33.3 2003
Singspiel 1 3 33.3 1998
Giant's Causeway 1 4 25.0 1831
クロフネ 7 13 53.8 1461
コマンダーインチーフ 3 6 50.0 1425
サクラバクシンオー 3 8 37.5 1350 モンドキャンノ
ジャングルポケット 2 5 40.0 1329
フレンチデピュティ 4 10 40.0 992
アフリート 4 6 66.7 956
ダンシングブレーヴ 1 3 33.3 399
キングカメハメハ 1 10 10.0 303
El Prado 1 4 25.0 298
ホワイトマズル 1 5 20.0 251
シンボリクリスエス 1 9 11.1 84

※ 中央(芝・ダート)、2012〜16年産、レース機会 35以上の母父(BMS)、2018年10月8日現在の情報。

キンシャサノキセキと BMS との相性を見ると、データ不足であまり多くを語れませんが、トニービン・タイキシャトル・クロフネ・アフリートあたりが良さそうに見えます。

母父トニービンは 勝ち上がり率 50% で、重賞ウイナーは出ていませんがオープン馬になったスマートカルロスがいますし、そのほかに 2頭が 2勝以上をしています。

母父タイキシャトルは勝ち上がり率が非常に高く、さらに勝ち馬の母馬がすべて別なので、1頭の優秀な母に頼った成績ではないことに好感をもてます。

勝ち馬 6頭中 5頭が 2勝以上をあげており、ニックス的なものがあるようにも感じられます。しかし大物は出ておらず、あくまで平均的に良いという見立てです。

すこし落ちますが、同様に母父クロフネ・アフリートも比較的良いです。ただ 1頭賞金が低いので、募集価格との兼ね合いでしっかり見定めたいラインです。

反対に、ある程度数がそろっていて結果の出ていない母父キングカメハメハ・シンボリクリスエスについては、相馬眼に自信が持てるまでは近寄りにくいというのが率直な感想です。

キンシャサノキセキの母父系の相性

母父系 勝上 総数 勝上率 1頭賞金 重賞代表
ヌレイエフ 5 10 50.0 2356
マンノウォー 2 3 66.7 1897
ストームキャット 6 16 37.5 1684
エクリプス 4 9 44.4 1621
ニアークティック 3 6 50.0 1492
ダンチヒ 9 18 50.0 1391 カシアス
ロイヤルチャージャー 12 25 48.0 1247
ナスルーラ 16 47 34.0 1215 モンドキャンノ
ロベルト 7 24 29.2 1166 ベルーガ
ノーザンダンサー 36 86 41.9 1130
ミスプロ 27 81 33.3 1054 シュウジ
シアトルスルー 4 8 50.0 925
ノーザンテースト 2 5 40.0 613

※ 中央(芝・ダート)、2012〜16年産、レース機会 35以上の母父系、2018年10月8日現在の情報。
※ 独自に系統を分類しています。大系統のデータに小系統のデータは含まれません。
※ 他ページではノーザンダンサー系のみニアークティック系に含まれています。

母父系は、ザックリ言うとノーザンダンサー系全般が相性が良いように見えます。

ヌレイエフ系とダンチヒ系は勝ち上がり率が高く、ダンチヒ系でカシアスが出ています。また、ストームキャット系は率はそうでもないですが、4勝・賞金5000万以上の馬が 2頭出ており、良績をあげていると言えます。

ある程度数がそろっているなかで安定感があるのは、ロイヤルチャージャー系(サンデー系・ロベルト系を除く)です。

ただこれは、前項であげたタイキシャトルが引っ張っている部分が大きいと思われるので、ロイヤルチャージャーではなくタイキシャトルが合っている、と見るべきかもしれません。

シンボリクリスエスが盛大に足を引っ張っているロベルト系については、全体としては低調ですが、重賞勝ち馬ベルーガのほかにキタサンガンバがいて、一部打点の高い産駒も見込めるような気もします。

キンシャサノキセキ産駒の距離適性

距離 勝率 連対率
芝〜1600 6.60 14.78
芝1400〜2400 5.05 11.16
芝2000〜 5.81 9.30
ダ〜1400 9.45 19.34
ダ1600〜 7.77 19.22

※ 中央(芝・ダート)、2018年9月17日現在の情報。
※ 芝の距離区分がかぶっていますが、ミオスタチン遺伝子型の別による得意距離ごとに集計しているためです。

キンシャサノキセキ自身が C:C型と目されるため、産駒もやはり短距離に寄っている傾向が見られます。

芝2000以上の勝率がやや持ち直しているように見えますが、母数が少なく偏りがあると思います。連対率を見るとキレイに逆相関があるようなので、距離は短いほうが良いのでしょう。

馬体重は標準的なのですが、芝よりダートに向いています。距離に関係なく連対率も高いので、馬券的にも一口馬主的にも、ダートっぽい血統や馬体のキンシャサノキセキ産駒は信頼度が高いかもしれません。

爆発的に稼ぐ、ということは現在のデータからは見られませんが、価格が安く、かつ安定的に出資金を回収してくれるという点で、お財布にやさしい種牡馬だと思います。

一口馬主には、なるべく回収率を上げつつ頭数をそろえて愛馬のレースを多く見る、という楽しみ方もありますので、キンシャサノキセキ産駒は自分には合っている気もします。

この記事の作成日は 2018年10月10日 です。

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