トップ > 種牡馬の分析 > ロードカナロア産駒の成績と特徴

ロードカナロアの種牡馬成績

ロードカナロア

AEI
1.73
CPI
0.99
AEI/CPI
1.76
勝ち上がり率
全体 : 46.6%
牡馬 : 52.3%
牝馬 : 42.2%
1頭あたり本賞金
全体 : 922万円
牡馬 : 927万円
牝馬 : 918万円
牝/牡(1頭本賞金)
99.03%
2勝馬率
9.46%
セン馬率
10.77%

※ 中央(芝・ダート)のみ、2018年9月14日現在の情報。
※ AEI は 2015〜2016年産、他は 2015年産のデータ。
※ 画像はキャロットクラブより転載(許可を得ています)。

初年度産駒から、桜花賞・オークスを制したアーモンドアイを出したロードカナロア。

2018年には種付け料が 500万円から 800万円に上がり、種牡馬リーディングで常に上位争いをするハーツクライと同額になりました。

それでも過去最高の 294頭という種付け頭数を記録したのですから、生産者の評価は高いのでしょう。実際に産駒成績は良いです。

同世代とくらべた AEI は 1.73、AEI/CPI は 1.76 と共に高い値を示していますし、なんといっても2015年産(現3歳世代)の勝ち上がり率 46.6% という数値は素晴らしいです。

ただ勝ち上がり率はともかく AEI関連の数値は、産駒が若い世代しかいない現状は、あまり頼りにならないことは念頭に置く必要があるでしょう。

上記の CPI(繁殖牝馬の質で 1 が平均値)は、同世代の産駒だけで計算しているので低い数値が出ていますが、直近10世代にひろげて計算しなおすと 2.25 に急上昇します。

ということは、ロードカナロア産駒の世代数が増えていき、古馬の割合が高まっていったときに、まわりの馬にくらべて平均 2.25倍の賞金を稼がないと、種牡馬としての質が悪いということになります。

産駒全体に占めるアーモンドアイの獲得賞金の割合は 16.92% と、そこまで高くなく、依存度はそれほどでもありませんが、ほかのロードカナロア産駒にも今後たくさん活躍してもらわないと達成できない数字ではあります。

父キングカメハメハの AEI が 2.30 なので、父レベルの活躍が求められるということですが、はたして今後、そのような活躍ができるかどうかはしっかりと見極めていきたいです。

牝馬クラシック二冠を獲ったアーモンドアイが出たため、牡馬に対する牝馬の獲得賞金の平均(本賞金ベース)は 99.03% と非常に高いです。

これはつまり、牡馬と牝馬が等しく稼いでいるということ。基本的には牡馬のほうがずっと獲得賞金は大きくなるものなので、ロードカナロアはよく言われるようにフィリーサイアーなのでしょう。

ちなみに、アーモンドアイ抜きで考えても 65.92% で、これはダイワメジャー(70.89%)に近い数値です。

ところで、セン馬率が 10.77% と高いのが少し気になります。世間の評判ではロードカナロア産駒は父に似て落ち着いているとのことですし、実際に見学ツアーなどでも大人しく、スタッフさんも同様の発言をします。

これはおそらく気性面も(もしかしたら少しは)関係あるかもしれませんが、それよりは筋肉がつきすぎて、首が太くなったりカラダが硬くなったりすることへの、予防的な意味合いがあるのだろうと推測しています。

ロードカナロアのミオスタチン遺伝子型は C:C型、いわゆる短距離適性のあるタイプと見られており、筋肉がとてもつきやすい遺伝的な特徴があると思われます。

実際に産駒を見ても筋肉質なタイプが多いですし、C:C型の特徴である早期デビュー率の高さも見られることから、産駒に占める C:C型の割合が、ほかの種牡馬の産駒よりも高いのでしょう。

そのため、首が太くなったり、ほかの部位に筋肉が付きすぎたりしていわゆる「理想的なサラブレッドの体型」から離れることを危惧して、去勢がおこなわれることが多いのかもしれません。

同じく C:C型と見られるダイワメジャーも、その産駒のセン馬率が 13.49% と高いので、この論はそこまで大きく外れていないだろうと思います。

大型のロードカナロア産駒に出資する場合は、セン馬になる可能性があることも頭の片隅に置いておいたほうが良いかもしれません。

ロードカナロアのBMS相性

母父 勝上 総数 勝上率 1頭賞金 重賞代表
ファルブラヴ 3 3 100.0 5163ステルヴィオ
サンデーサイレンス 10 19 52.6 2047アーモンドアイ
ゼンノロブロイ 1 3 33.3 1487
ハーツクライ 1 3 33.3 1103
マルゼンスキー 1 1 100.0 1085
フレンチデピュティ 3 6 50.0 996
サクラバクシンオー 2 3 66.7 883
アドマイヤベガ 2 3 66.7 882
ブライアンズタイム 2 3 66.7 850
クロフネ 6 9 66.7 810
ディープインパクト 4 7 57.1 797
アグネスタキオン 2 6 33.3 739
フジキセキ 5 11 45.5 733
トニービン 1 3 33.3 617
ダンスインザダーク 3 7 42.9 526
シンボリクリスエス 2 4 50.0 423
スペシャルウィーク 1 6 16.7 211
アドマイヤムーン 0 2 0.0 203

※ 中央(芝・ダート)のみ、2015年産(現3歳)のみ、レース機会 10以上の母父(BMS)のみ、2018年9月21日現在の情報。

ロードカナロアの母父系の相性

母父系 勝上 総数 勝上率 1頭賞金 重賞代表
ダンチヒ 5 7 71.43 1448
ニアークティック 16 24 66.67 1432 ステルヴィオ
サンデーサイレンス 33 74 44.59 1029 アーモンドアイ
ストームキャット 2 2 100.00 985
ロベルト 5 10 50.00 487
ナスルーラ 3 11 27.27 445
エクリプス 1 2 50.00 350
ミスプロ 2 11 18.18 298

※ 中央(芝・ダート)のみ、2015年産(現3歳)のみ、レース機会 10以上の母父系のみ、2018年9月21日現在の情報。
※ 独自に系統を分類しています。大系統のデータに小系統のデータは含まれません。

母父や母父系に関してはオルフェーヴルと同じく、相性を見られるほどのデータがないというのが現状です。

強いて言えば、サンデーサイレンス系よりもノーザンダンサー系のほうが合ってそう、ということくらいでしょうか。

母父サンデーサイレンスでアーモンドアイが出ているので、一見するとサンデー系は合いそうに思えますが、勝ち上がり率も 1頭あたり本賞金も、ND系のほうが大きいです。

サンデー系牝馬は国内に溢れており、ロードカナロアがサンデーを持たないキングマンボ系ということで、それらの牝馬と多く交配されています。

それにもかかわらず、母父サンデー系より産駒数が少ない母父 ND系からステルヴィオが出ていますし、上記のとおり ND系のほうが平均値が高いです。

アーモンドアイを、母フサイチパンドラの賜物による異常値ととらえて除外した場合(除外するのはナンセンスかもしれませんが)、母父サンデー直の 1頭あたり本賞金は 712万円まで下がります。

今後もサンデー系牝馬との配合はたくさんおこなわれるでしょうし、付ける相手に良い種牡馬があまりおらず不遇だったディープインパクト牝馬は、その筆頭となるかもしれません。

それらの配合でできた産駒が、現状の成績をさらに引き上げられるか、注目したいところです。

ちなみに、産駒全体で見たときの、母が輸入繁殖牝馬である割合は 10%台と低いです。相手がサンデー系に偏っており内国産馬でまかなえるので、当然といえば当然ですね。

ロードカナロア産駒の距離適性

距離 勝率 連対率
芝〜1600 15.40 25.74
芝1400〜2400 13.67 24.70
芝2000〜 5.66 16.98
ダ〜1400 9.52 19.73
ダ1600〜 6.10 13.41

※ 中央(芝・ダート)のみ、2018年9月17日現在の情報。
※ 芝の距離区分がかぶっていますが、ミオスタチン遺伝子型の別による得意距離ごとに集計しているためです。

ロードカナロア産駒の距離適性については、一般のイメージ通りだと思います。

芝の短距離で好成績をおさめています。2歳戦から活躍するという意味でもダイワメジャー産駒とかぶっていますが、ダイワメジャー産駒より成績が良いです。

ただ、ダイワメジャー産駒がダートでもあまり芝と変わらない成績を残しているの対して、ロードカナロア産駒は現状は落差が激しく見えます。

それでも、ダート〜1400 では勝率・連対率ともにダイワメジャー産駒を上回っており、潰しがきかないわけではなく、芝での勝率が高すぎると考えるほうがシックリきます。

産駒が増えるにしたがって、距離別の勝利占有率(上記の勝率とは別の数値)は上がっていくことでしょう。

すごい種牡馬かどうか、という問いには現時点では明確な答えは用意できないですが、一口馬主的にも競馬ファン的にも、今後も目が離せない種牡馬であることは間違いないです。

この記事の作成日は 2018年09月24日 です。

このページのトップへ

トップページ