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ヨハネスブルグの種牡馬成績

ヨハネスブルグ
※ 画像はJBIS-Searchより転載

AEI
1.28
CPI
0.83
AEI/CPI
1.55
勝ち上がり率
全体 : 47.7%
牡馬 : 55.2%
牝馬 : 40.8%
1頭あたり本賞金
全体 : 1367万円
牡馬 : 1897万円
牝馬 : 874万円
クラシック出走率
全体 : 1.89%
牡馬 : 0.00%
牝馬 : 3.85%
牝/牡(1頭本賞金)
46.05%
2勝馬率
18.09%
セン馬率
7.29%

※ 中央(芝・ダート)、2011〜16年産、2018年9月14日現在の情報。
※ クラシック出走馬率のみ 2011〜14年産、10月08日現在。

ヨハネスブルグは 2010年に日本に導入されたので、2011年産が初年度産駒。その前もちらほら外国産馬などがいたようですが、当サイトではそのデータは除外しています。

ヨハネスブルグ産駒は早期デビューする馬が多く、2歳戦で活躍します。地方でも良い成績をあげているようです(当サイトのデータは中央のみ)。

早熟で 2歳戦で強いせいか、勝ち上がり率がとても高いです。47.7% というのは、当サイトで扱っている種牡馬リーディング上位 20頭ほどのなかでは、ディープインパクトに次ぐ 2位の数値。

まだ中央平地を走っている産駒が 200頭ほどとデータ不足で、偏った数値が出ている可能性はありますが、それでも非常に立派な数字だと思います。

一方で、1頭あたり本賞金は低いほうです。これについては、2歳戦では強いがその後は尻すぼみ、と断じることはできません。まだ産駒の世代数が少なく 2〜3歳馬の影響が大きいというのがあるのでしょう。

2勝馬率は、産駒の世代数が同じくらいであるハービンジャーと似たような数値であり、古馬の割合が増えてくるともうすこし改善されるように思います。

牡馬に対する牝馬の賞金の割合は 46.05% で、やや低い水準。個人的にはギリギリ許容範囲という感じですが、やはり牝馬はすこし選びにくく、出資をするときは牡馬中心に見てしまうと思います。

牝馬も勝ち上がり率は高いほうなので、安い馬ならば出資する手もありますが、ダート戦で活躍する可能性も考えるとやはり牡馬が良いかもしれません。

クラシック出走に関しては、牝馬は桜花賞に出た馬が 2頭いますが、距離適性の問題なのか、牡馬はクラシック出走にはまだありつけていません。

日高で繋養されている関係もあってか、繁殖牝馬の質を示す CPI は低め。それにもかかわらず前述のように勝ち上がり率は高いですし、AEI/CPI も 1.55 という良い数字を出しています。

セン馬率は短距離馬のなかではすごく低いほうだと思います。ミオスタチン遺伝子型が同じ C:C型だと思われるダイワメジャー・ロードカナロア産駒とくらべてかなり低いので、気性は良いのかもしれません。

あるいは、上記 2頭よりも馬格がないので、それがセン馬の少なさにつながっているとも考えられますが、こちらについても産駒数が増えることでおいおい見方が変わる可能性があります。

馬体については個人的に、JBISサーチの写真を見るかぎりでは、産駒は背ったれでも問題ないのかなあと感じました。

ヨハネスブルグのBMS相性

母父 勝上 総数 勝上率 1頭賞金 重賞代表
ケイムホーム 1 1 100.0 11874
カコイーシーズ 1 1 100.0 6322
エルハーブ 2 2 100.0 4861
マーベラスサンデー 1 1 100.0 4642
マヤノトップガン 1 1 100.0 3202
シンボリクリスエス 3 6 50.0 2925
サンデーサイレンス 10 20 50.0 2730 ネロ
サクラバクシンオー 4 6 66.7 2555
エルコンドルパサー 3 3 100.0 2391
タイキシャトル 5 7 71.4 1996
スペシャルウィーク 2 8 25.0 1841
Miswaki 0 1 0.0 1645
ホワイトマズル 1 2 50.0 1525
アグネスタキオン 11 16 68.8 1475
ダンスインザダーク 6 10 60.0 1301
コマンダーインチーフ 2 2 100.0 1270
ジェネラス 1 1 100.0 802
フレンチデピュティ 1 2 50.0 465
フジキセキ 3 8 37.5 372
ブライアンズタイム 1 5 20.0 286

※ 中央(芝・ダート)、2011〜16年産、レース機会 30以上の母父(BMS)、2018年10月3日現在の情報。

ヨハネスブルグと BMS との相性を見ると、血統的に交配相手として自然と導かれるサンデーサイレンス牝馬が、そのまま好相性のようです。

勝ち上がり率 50.0% で、勝ち馬 10頭中 9頭がべつの母馬から産まれており、ネロ・ホウライアキコという重賞ウイナーが出ています。

母父スペシャルウィークはちょっとアレですが、母父アグネスタキオンや母父ダンスインザダークなども高い勝ち上がり率を誇っており、サンデーサイレンス系のなかでもここらへんは鉄板の模様。

母父シンボリクリスエスも良さそうですが、1頭あたり本賞金が高いのはエイシンバッケン 1頭の影響が非常に大きく、もうすこし母数が増えないと評価が難しいところ。

ヨハネスブルグ産駒のなかで打率も打点も高いところで安定しているのが、母父タイキシャトル。7頭中 5頭が勝ち上がり、その母馬はすべて別の馬。

地方へ行ってしまったものの準オープンまで勝ち上がったリッパーザウィン、1000万下で好走しているハトマークレディとトウカイパシオンなど、粒ぞろいです。

自分が出資するなら、ヨハネスブルグ×タイキシャトルか、ヨハネスブルグ×サンデーサイレンス系(サンデー・タキオン・ダンス)になりそうです。

アーモンドアイの半妹ユナカイトが今後どうなるかはわからないですが、昨年の時点で彼女に目を付けていた出資者の方々はすごいなあと思いました。

ヨハネスブルグの母父系の相性

母父系 勝上 総数 勝上率 1頭賞金 重賞代表
ネイティヴダンサー 1 1 100.0 6322
エクリプス 3 4 75.0 1841
ロイヤルチャージャー 7 9 77.8 1808
ロベルト 6 15 40.0 1664
ナスルーラ 9 16 56.3 1492
サンデーサイレンス 38 81 46.9 1487 ネロ
ミスプロ 12 25 48.0 1242
ノーザンダンサー 12 24 50.0 1134
ダンチヒ 6 12 50.0 1117
ヌレイエフ 1 3 33.3 963

※ 中央(芝・ダート)、2011〜16年産、レース機会 30以上の母父系、2018年10月3日現在の情報。
※ 独自に系統を分類しています。大系統のデータに小系統のデータは含まれません。
※ 他ページではノーザンダンサー系のみニアークティック系に含まれています。

母父系というくくりで見ると、サンデーサイレンス系の勝ち上がり率はヨハネスブルグ産駒全体のそれを下回っており、すごく良いというわけではないようです。

母父との相性の項でのべたとおり、もし母父サンデー系を狙うなら、データ的には母父サンデーサイレンス・アグネスタキオン・ダンスインザダークあたりが良いでしょう。

ロイヤルチャージャー系がまた相性が良く、7頭すべての母馬がちがう馬。

当サイトにおけるロイヤルチャージャー系というのは、非サンデー・ロベルト系のロイヤルチャージャーを指しており、ほぼタイキシャトルと思っていただいて大丈夫です。

というわけで、この打率の高さは前項のとおりタイキシャトルの影響が大きいです。

データ数の違いによる差が出ている可能性もありますが、サンデー系全体では勝ち上がり率が高くないことを踏まえると、サンデーを介さないヘイロー系のほうが、ヨハネスブルグとは相性が良いのかもしれません。

とはいえ、いまのところ中央平地での重賞勝ち馬が出ているのは母父サンデーサイレンスのみなので、どちらも甲乙つけがたいです。

母父サンデーサイレンス、もしくは母父タイキシャトルのヨハネスブルグ産駒が募集されていたら、ひとまず募集総額は確認しようと思います(笑)。

ヨハネスブルグ産駒は、2017年産は主要クラブでの募集馬がいなかったようで、これ以上、種付け頭数の減少に拍車がかからなければ良いですが…。

ちなみにナスルーラ系も数値は良いですが、ナスルーラ系は幅が広く系統全体で相性が良いというのはザックリしすぎているので、判断は保留します。サクラバクシンオーはある程度良いと言えるかもしれません。

ヨハネスブルグ産駒の距離適性

距離 勝率 連対率
芝〜1600 9.54 15.73
芝1400〜2400 5.89 10.22
芝2000〜 0.00 2.38
ダ〜1400 7.59 14.16
ダ1600〜 9.13 19.01

※ 中央(芝・ダート)、2018年9月17日現在の情報。
※ 芝の距離区分がかぶっていますが、ミオスタチン遺伝子型の別による得意距離ごとに集計しているためです。

芝では圧倒的に短距離が得意で、2000m以上では馬券にからむのがやっとという印象です。ただ芝2000以上にはそもそも 42回しか出走していないので、度外視でよいでしょう。

ヨハネスブルグ産駒はステイヤーとしては期待されておらず、完全にマイルまでの馬と考えられて使われているようです。

一方で、それを否定できそうな情報もあります。まだデータ不足の感は否めませんが、ダートではマイル以上の距離でも良績を残しており、適性のある馬場では意外とスタミナを発揮できるようです。

総合的に考えると、ストームキャット系でパワーとスピードを兼ね備え、C:C型で早熟というのが素直な見方でしょうか。

Wikipedia では初年度産駒以外は期待ハズレで種付け頭数が減った、となっていますが、ザッと戦績を見たかぎり、2年目以降の産駒が大ハズレだったわけではないと思っています。

アメリカではヨハネスブルグ産駒のスキャットダディが種牡馬として、シアトルスルー以来41年ぶり史上2頭目の無敗の三冠馬ジャスティファイを出しましたし、日本でも繁栄したらおもしろいですね。

社台SS がストームキャット系のドレフォンを導入しましたが、余計にヨハネスブルグの影が薄くならないように祈っています。

この記事の作成日は 2018年10月09日 です。

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