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ディープインパクトの種牡馬成績
- AEI
- 3.22
- CPI
- 1.77
- AEI/CPI
- 1.82
- 勝ち上がり率
- 全体 : 62.28%
牡馬 : 69.15%
牝馬 : 55.03% - 1頭あたり本賞金
- 全体 : 3897万円
牡馬 : 4853万円
牝馬 : 2889万円 - クラシック出走率
- 全体 : 9.03%
牡馬 : 10.54%
牝馬 : 7.44% - 牝/牡(1頭本賞金)
- 59.53%
- 2勝馬率
- 37.19%
- セン馬率
- 5.37%
※ 中央(芝・ダート)のみ、2018年9月14日現在の情報。
※ クラシック出走馬率は 2008〜2014年産、他は 2008〜2016年産のデータ。
※ 画像はキャロットクラブより転載(許可を得ています)。
常に種牡馬リーディングのトップを走り続け、2012年度以降 6年連続でリーディングサイアーの座に輝いているディープインパクト。2018年度もすでに安全圏に入っており、おそらく 1位を獲るでしょう。
データを見ても世間のイメージと変わりません。各データに関してのきなみ 1位の数字が並びますし、クラシック出走馬率にいたっては他の種牡馬がまったく敵わない数字をはじき出しています。
ディープ牡馬 10頭に出資すれば、1頭はクラシック競走に出走してくれる計算です。凄すぎです。
クラシック勝利に関しても当然 1位で、過去 7年で 12頭の優勝馬を出しており、過去 9年で 4頭のキングカメハメハ産駒に大きな差をつけています。
クラブ馬で大きいところを狙うなら、ディープインパクト産駒です。重賞出走や勝利ならほかのリーディング上位の種牡馬でも良いかもしれませんが、クラシックなどを狙うならディープ産駒が断然オススメです。
ただ、近年は種付け料の高騰により、クラブ馬の募集価格も上がっています。
種付け料は、2012年度までは 1000万円ほどでしたが、2014年度には 2000万円、2016年度には 3000万円、そして 2018年度には 4000万円になっています。
それにあわせて募集総額も上がっており、2018年度のクラブ募集のディープ産駒(牡1歳)の平均価格は 1億1000万円ほどになっています(7クラブ23頭の平均)。
ディープインパクト産駒とはいえ未勝利で終わるクラブ馬も少なくないので、リスクが非常に大きいですし、回収率という点ではまったくオススメできません。
平均回収率は高く見えますが、それは過去の募集総額が小さかったときの影響が大きく、現状の高騰した価格で回収できるかどうかは怪しいと言えます。
一口馬主の楽しみ方にはいろいろあると思いますが、ザックリ言って「クラシックや G1狙い」と割り切るなら良いですが、「回収率重視」なら手を出さないのが賢明です。
僕ははじめて馬券を買ったのがディープインパクトの菊花賞ですし、大好きな馬なので、その産駒に出資したいという想いから 2018年度募集で出資しました。
しかし他人には、回収率の点で言えば強くオススメできないのが正直なところです。
ディープインパクトのBMS相性
母父 | 勝上 | 総数 | 勝上率 | 1頭賞金 | 重賞代表 |
---|---|---|---|---|---|
Unbridled | 7 | 8 | 87.5 | 9339 | ダノンバラード |
エルコンドルパサー | 6 | 9 | 66.7 | 8588 | マリアライト |
Danehill | 8 | 11 | 72.7 | 8145 | サトノアレス |
ホワイトマズル | 6 | 9 | 66.7 | 7618 | スマートレイアー |
Caerleon | 8 | 14 | 57.1 | 7380 | ダノンシャーク |
フレンチデピュティ | 28 | 36 | 77.8 | 7087 | ショウナンパンドラ |
Storm Cat | 34 | 50 | 68.0 | 6348 | リアルスティール |
Acatenango | 8 | 11 | 72.7 | 5429 | ワールドエース |
キングカメハメハ | 18 | 22 | 81.8 | 5186 | ワグネリアン |
トニービン | 24 | 40 | 60.0 | 4486 | サトノノブレス |
クロフネ | 20 | 25 | 80.0 | 4028 | ステファノス |
Unbridled's Song | 10 | 11 | 90.9 | 3670 | ダノンプラチナ |
Nureyev | 6 | 11 | 54.5 | 3665 | マーティンボロ |
ノーザンテースト | 8 | 18 | 44.4 | 3429 | ヒストリカル |
ブライアンズタイム | 19 | 32 | 59.4 | 3400 | ゼーヴィント |
Cozzene | 6 | 8 | 75.0 | 2891 | |
シンボリクリスエス | 10 | 17 | 58.8 | 2805 | アドミラブル |
サクラバクシンオー | 5 | 12 | 41.7 | 2398 | アデイインザライフ |
Sadler's Wells | 7 | 13 | 53.8 | 2127 | タッチングスピーチ |
Kingmambo | 11 | 19 | 57.9 | 1994 | |
Seeking the Gold | 8 | 12 | 66.7 | 1729 | |
Monsun | 10 | 14 | 71.4 | 1658 | |
Gone West | 8 | 14 | 57.1 | 1650 | |
A.P. Indy | 6 | 11 | 54.5 | 1412 |
※ 中央(芝・ダート)のみ、レース機会 100以上の母父(BMS)のみ、2018年9月2日現在の情報。
ディープインパクトの母父系の相性
母父系 | 勝上 | 総数 | 勝上率 | 1頭賞金 | 重賞代表 |
---|---|---|---|---|---|
ダンチヒ | 60 | 94 | 63.8 | 5684 | ジェンティルドンナ |
ストームキャット | 50 | 78 | 64.1 | 5054 | リアルスティール |
ヌレイエフ | 26 | 39 | 66.7 | 4868 | ミッキークイーン |
ニアークティック | 173 | 253 | 68.4 | 4335 | ショウナンパンドラ |
トゥルビヨン | 6 | 11 | 54.5 | 3713 | グレーターロンドン |
ミスプロ | 167 | 273 | 61.2 | 3624 | ヴィブロス |
ナスルーラ | 77 | 136 | 56.6 | 3241 | サトノノブレス |
ロベルト | 46 | 80 | 57.5 | 3198 | ダノンプレミアム |
ノーザンテースト | 12 | 25 | 48.0 | 3183 | ヒストリカル |
エクリプス | 30 | 48 | 62.5 | 2491 | ワールドエース |
ロイヤルチャージャー | 10 | 22 | 45.5 | 2248 | ヴァンセンヌ |
シアトルスルー | 23 | 40 | 57.5 | 2178 | アルアイン |
※ 中央(芝・ダート)のみ、レース機会 100以上の母父系のみ、2018年9月2日現在の情報。
※ 独自に系統を分類しています。大系統のデータに小系統のデータは含まれません。
勝ち上がり率や 1頭あたり本賞金が高い順に母父(BMS)を並べると、下まで見ても低い数値はあまり出てきません。ディープインパクト恐るべし、です。
広く知られているとおりストームキャット(Storm Cat)は特に相性が良く、リアルスティール、エイシンヒカリ、サトノアラジン、ラキシス、キズナなど多くの G1馬を輩出しています。
大物だけを見たらストームキャットは高い数値を出していますが、しかし勝ち上がり率や 1頭あたり本賞金を見るとそれより上もいます。
アンブライドルド(Unbridled)・アンブライドルズソング(Unbridled's Song)の親子はともに 90%前後の勝ち上がり率を誇り、G1馬を含む重賞ウイナーを出しています。
母父アンブライドルドは、実はレディバラードとアジアンミーティアという 2頭の母馬で上記の実績をあげており、母馬が良かっただけに見えますが、母父アンブライドルズソングは 7頭の母馬による実績。
というわけで、やはりディープインパクトとこの親子の相性が良いのでしょう。
ほかにも例をあげればキリがないですが、特に注目すべきは母父フレンチデピュティです。36頭という大きめの母数でありながら、勝ち上がり率 77.8%、1頭あたり本賞金 7087万円はすごいです。
それでいながらショウナンパンドラやマカヒキなどの大物もしっかり出しており、母父系の数値とあわせて見ても、基本的にはノーザンダンサー系のほうがミスタープロスペクター系よりも相性が良いのだろうと推測されます。
実際に出資するにあたっては、母自身と牝系をしっかり見ることになると思いますが、相性の良い BMS や母父系を頭に入れておいて損はないでしょう。
ディープ産駒の天下は続く
回収率重視ならディープインパクト産駒は分が悪くなると書きましたが、大きなところを狙うならディープは外せない種牡馬であるのも然りです。
社台グループの生産牧場には「ノーザンファーム」「社台コーポレーション白老ファーム」「社台ファーム」「追分ファーム」の 4つがあります。
その 4牧場の生産数を見ると、ディープインパクト産駒は毎年 90以上が安定的に生産されています。そして、配合されている輸入繁殖牝馬の割合もとても高いことがわかります。
2013〜2017年産(現1〜5歳)のディープインパクト産駒の母は、65〜74% が輸入繁殖牝馬だと考えられます。
※ 中央登録のない父が外国馬の繁殖牝馬を、簡易的に輸入繁殖と考えて計算した場合。
これは社台グループ生産のほかのどの馬よりも高い数値で、ディープインパクトの配合相手の質は、CPI が示すよりもかなり高いのかもしれません。
実際に、クラブ募集馬をザッと眺めると、北米 G1 を勝った母馬などが目立つと思います。
データにおいて大事なのは、何によって担保されているかです。産駒の成績は、種牡馬と繁殖牝馬、育成牧場や厩舎の質によります。
直近の動向を見ても、ディープインパクトはいままでと同等以上の繁殖牝馬に付けらている傾向が見られるため、産駒の隆盛はまだ続くと見ています。
「AEI が高いのは繁殖牝馬が良いから。ディープ自身は大したことない」という批判もあるようですが、仮にそれが正しいとしても、繁殖牝馬の質が今後も同じであるなら、ディープインパクト産駒が勝ち続けることになります。
夢を買うなら、ディープインパクト産駒です。僕は夢が見たいです。
この記事の作成日は 2018年09月20日 です。