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ダイワメジャーの種牡馬成績

ダイワメジャー

AEI
1.69
CPI
1.48
AEI/CPI
1.14
勝ち上がり率
全体 : 46.9%
牡馬 : 51.6%
牝馬 : 42.2%
1頭あたり本賞金
全体 : 1981万円
牡馬 : 2315万円
牝馬 : 1641万円
クラシック出走率
全体 : 2.65%
牡馬 : 1.68%
牝馬 : 3.62%
牝/牡(1頭本賞金)
70.89%
2勝馬率
25.88%
セン馬率
13.49%

※ 中央(芝・ダート)のみ、2018年9月14日現在の情報。
※ クラシック出走馬率は 2009〜14年産、他は 2009〜16年産のデータ。
※ 画像はキャロットクラブより転載(許可を得ています)。

ダイワメジャー産駒の特徴としてまずあげられるのは、勝ち上がり率の高さです。

主要な種牡馬産駒で見ると、ディープインパクト・ヨハネスブルグ・キングカメハメハに次いで、ダイワメジャーがきます。ちなみにその後はロードカナロアです。

ヨハネスもカナロアも産駒頭数がとても少なくデータ不足ですし、実質的にはディープとキンカメの次に良い、と考えていいと思います。

ヨハネスブルグ、ダイワメジャー、ロードカナロアに共通するのは、おそらく皆ミオスタチン遺伝子型が C:C型(もしかしたらC:T型)ということでしょう。

C:C型は筋肉が付きやすく、無酸素性のエネルギーを多く使う短距離戦を得意としており、総じて仕上がりが早いのが特徴。というわけで、デビューが早かったり 2歳戦で活躍したりします。

ダイワメジャー産駒はそこまでデビューが早いわけではないようですが、若駒のときには同世代よりも相対的に能力が高い状態にあるのだと思います。

1頭あたり本賞金も高く、(リーディング上位だから当たり前ですが)ディープ・キンカメ・ハーツクライ・ステイゴールドに次ぐ平均額を稼いでいます。

牡馬のクラシック出走率が低いのは距離適性の問題があるのでしょう。牝馬の出走率は、ほかのリーディング上位の種牡馬産駒と同じくらいの確率を維持しています。

そのかわり、牡馬は NHKマイルカップへの出走率が比較的高く、反対に牝馬はかなり低いです。

特筆すべきは、牝馬の 1頭あたり本賞金が、牡馬のそれに対して 70.89% もあること。これはロードカナロアやオルフェーヴルなどの、異常値が出ているかもしれない若い種牡馬を抜かすと、クロフネに次いで 2位の数値。

クラブ馬の選定において、「血統も馬体も良いし顔もかわいいのに牝馬なのか…」などと気にすることなく出資できるのも、ダイワメジャー産駒の良いところかもしれません。

2歳戦で活躍できるからか、2勝以上している馬の割合もとても高いです。25.88% というのはディープ・キンカメに次ぐ数値で、ハーツを上回っているのだから凄いです。

ネガティヴな要素としては、セン馬率の高さがあげられます。

これは気性の問題ではなく、ロードカナロアなどと同じく、首が太くなり過ぎたり筋肉が硬くなり過ぎたりするのを防ぐためだと思われます。

ダイワメジャー自身が喉鳴りを発症しており、その要因に遺伝があるかないかはハッキリわかっていませんが、筋肉の付きすぎなどを防ぐとともに喉鳴りを予防する面が、もしかしたらあるのかもしれません。

気性の問題もなくはないでしょうが、牝馬の成績が良いこととあわせて考えると、あまり気性が悪いとは考えにくいです。

[追記]
社台系の各牧場で聞いたところ、総合すると去勢の最大の理由は「気性」で間違いないようで、またダイワメジャー産駒はガッといくところがあって大人しいタイプではないそうです。

ダイワメジャーのBMS相性

母父 勝上 総数 勝上率 1頭賞金 重賞代表
アイネスフウジン 2 2 100.0 4852
Deputy Minister 3 7 42.9 4388
Kris S. 5 6 83.3 3977
タイキシャトル 7 11 63.6 3854 レーヌミノル
A.P. Indy 4 8 50.0 3510 エクセラントカーヴ
シンボリクリスエス 7 10 70.0 3280 ミスパンテール
Giant's Causeway 3 7 42.9 3029
Storm Cat 5 8 62.5 3026
トニービン 20 41 48.8 2750 コパノリチャード
ジャングルポケット 7 11 63.6 2739 ソルヴェイグ
エルコンドルパサー 5 10 50.0 2393
エリシオ 4 10 40.0 2302
ホワイトマズル 8 16 50.0 2202 トーセンベニザクラ
クロフネ 12 21 57.1 2014
Silver Deputy 4 8 50.0 1964
フレンチデピュティ 11 20 55.0 1950
グルームダンサー 1 4 25.0 1912
フォーティナイナー 6 13 46.2 1871
サクラバクシンオー 5 9 55.6 1800
ダンシングブレーヴ 3 4 75.0 1698
アフリート 5 8 62.5 1579
Sadler's Wells 7 14 50.0 1575
Mt. Livermore 5 7 71.4 1326
Mr. Greeley 5 8 62.5 1298
ブライアンズタイム 17 37 45.9 1236
Kingmambo 4 9 44.4 1128
キングカメハメハ 3 13 23.1 865

※ 中央(芝・ダート)のみ、2009〜16年産、レース機会 80以上の母父(BMS)のみ、2018年9月27日現在の情報。

ダイワメジャーの BMS相性については、最下段のキングカメハメハとの相性の悪さが気になりますが、理由はわかりません。

キングマンボ(Kingmambo)やエルコンドルパサーとは悪くないようなので、キンカメだけに問題があるのかもしれません。いずれにしても、キンカメの文字がある場合は気をつけようと思います。

母父タイキシャトルが抜群に良く見えますが、勝ち馬の母は 3頭のみ。つまりきょうだいが多く、こういうときは 1頭の優秀な母が頑張っている可能性が高いです。

このケースでは、レーヌミノルを産んだダイワエンジェルが 勝ち上がり 7頭中5頭を産んでいます(笑)。

それに対して、母父シンボリクリスエスは勝ち馬 7頭の母がすべて別馬。さらにミスパンテールという重賞ウイナーも出ているので、こちらのほうが個人的には魅力的に見えます。

ボリクリの父クリスエス(Kris S.)も相性が良さそうで、4頭の母から 5頭の勝ち馬が出ています。母父にこのラインがある馬は要チェックです。

母父ジャイアンツコーズウェイ(Giant's Causeway)もデータこそ少ないですが、勝ち上がり 3頭の母がすべて違い、その全頭が 3勝以上しているところに相性の良さが出ている気がします。

ダイワメジャーの母父系の相性

母父系 勝上 総数 勝上率 1頭賞金 重賞代表
セントサイモン 6 8 75.0 6007 ダイワマッジョーレ
ロイヤルチャージャー 12 21 57.1 4318 ナックビーナス
ヌレイエフ 15 28 53.6 2459
ストームキャット 14 29 48.3 2323
ナスルーラ 67 137 48.9 2278 コパノリチャード
トウルビヨン 6 10 60.0 2196
ノーザンダンサー 91 192 47.4 2099 メジャーエンブレム
ロベルト 37 79 46.8 1627 ミスパンテール
ミスプロ 91 201 45.3 1606 カレンブラックヒル
ダンチヒ 15 43 34.9 1590 ロジチャリス
シアトルスルー 8 23 34.8 1478 エクセラントカーヴ
エクリプス 13 26 50.0 1182
ネイティヴダンサー 5 9 55.6 1147

※ 中央(芝・ダート)のみ、2009〜16年産、レース機会 80以上の母父系のみ、2018年9月27日現在の情報。
※ 独自に系統を分類しています。大系統のデータに小系統のデータは含まれません。
※ 他ページではノーザンダンサー系のみニアークティック系に含まれています。

当サイト独自の分類でわかりにくくて恐縮ですが、ロイヤルチャージャー系というのはサンデーサイレンス系とロベルト系以外の、ロイヤルチャージャーを祖先に持つ系統です。

産駒 21頭で重賞勝ち馬 2頭を出しており、上位の平均額も高くレベルが高いことがわかります。

BMS相性のところで述べたとおり、ダイワエンジェル(父タイキシャトル)の影響が大きいですが、上位 5頭の母はすべて別の馬なので、ヘイロー系(サンデー系除く)との相性が良いのかもしれません。

ヌレイエフ系やストームキャット系も良いですが、勝ち上がり率や 1頭あたり本賞金は高くても、重賞ウイナーは出ておらず。

またダンチヒ系は多く付けられているほうですが、勝ち上がり率はパッとせず、1頭賞金も低いです。重賞勝ち馬もロジチャリスのみで、そこまでコスパは良くなさそう。

トニービンやジャングルポケットなどのナスルーラ系が、勝ち上がり率が安定しており、かつ大物も輩出しているようです。

ダイワメジャー産駒の距離適性

距離 勝率 連対率
芝〜1600 9.21 18.69
芝1400〜2400 9.72 19.20
芝2000〜 8.42 16.08
ダ〜1400 8.62 16.67
ダ1600〜 7.86 15.79

※ 中央(芝・ダート)のみ、2018年9月17日現在の情報。
※ 芝の距離区分がかぶっていますが、ミオスタチン遺伝子型の別による得意距離ごとに集計しているためです。

似たような種牡馬であるロードカナロアには、芝の勝率では大きく水をあけられています。しかし、今後カナロア産駒に古馬が増えていって、数字が変わってくると差が縮まる可能性もあるかもしれません。

カナロアに比べて良いのは、芝とダートの差が大きくなく、潰しがきくという点でしょう。

とはいえ、ダート短距離ではカナロアが勝っており、カナロアの芝での勝率が高すぎて落差が大きく見える部分もあると思います。

ダイワメジャー産駒が芝・ダート、そして距離に関係なく成績が安定しているのは、その先行力の高さゆえでしょう。

切れがないとも言われますが、逃げたり先行したりして粘れるチカラがあるのは大きいですし、大崩れしないというのは一口馬主的にも嬉しい要素です。

ロードカナロア産駒の台頭によって今後のシェア争いが懸念されていますが、血統がまったく違いますし、成績は安定していますし、今後も長く活躍してくれるのではないかと考えています。

この記事の作成日は 2018年10月01日、最終更新日は 10月07日 です。

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