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ヒカルアモーレの2016の配合

ヒカルアモーレの2016
キャロットクラブ より転載

父ダイワメジャー×母父クロフネという配合で産まれた競走馬は、netkeiba.comによると現3歳以上の世代で21頭います。

勝ち上がり率は50%弱と悪くありません。賞金順で見ると最高がグランアルマダ(約9000万円)、次にクリノラホール(約7000万円)、ドラゴンシュバリエ(約5500万円)と続きます。

グランアルマダ等が1600万下を勝っていますが、重賞勝ち馬はいまだゼロです。ダイワメジャーの累計AEI 1.23という数値を鑑みると、もう少し当たりがいても良いのではないかと思わせる成績です。

牝系を見ると、祖母(母の母=ヒカルアモーレの母)は、同じくその子供がキャロットで募集されているグレイトフィーヴァーです。この繁殖は安定して勝ち上がる馬を産んでおり、良い肌馬だと思います。

ヒカルアモーレ自身も4勝馬を2頭産んでおり、なかでもシュペルミエール(父ステイゴールド)は屈腱炎を発症しなければ今頃さらなる活躍をしていたと思わせる能力の高さを見せていました。

つまり、ヒカルアモーレは能力の遺伝という点からはわるくない繁殖牝馬と見ることができます。

入厩予定先は関西の安田隆行厩舎。ロードカナロアやトランセンド、カレンチャン、ダッシャーゴーゴーを出した名門であり、昨年から今年にかけてやや不振な点をのぞけば不満はありません。

ダイワメジャーと母父クロフネの故障リスク

ヒカルアモーレの16の母父であるクロフネは、BMS(ブルードメアサイアー)として故障リスクが高いという噂があります。

噂があるというよりは、ある方の個人的な見解のようです。しかしヒカルアモーレの16が正式な募集リスト発表直後に実際にOCD(離断性骨軟骨症)になったこともあり、気になったので調べてみました。

前述のとおり、この組合せは現3歳以上の世代で21頭。そのなかで故障引退となったのが3頭。うち1頭は落馬によるケガなのでそれは除外すると、21頭中2頭、およそ10%が故障引退となっています。

故障引退のデータが採りにくい(調べるのに非常に手間がかかる)ため、他の産駒との比較はしていませんが、これを大きい数字と見るべきかどうかはわからないというのが正直な感想です。

[ 追記 ]

その後、JRA-VANのTARGET frontier JV(以下ターゲット)を入手したので、母父クロフネと全登録馬の故障リスクを調べてみました(現4歳から過去10世代分)。

なにぶんターゲットを使い始めたばかりで故障したかどうかを調べる方法がわからなかったので、疑似的に「キャリア3〜4走以下で引退した馬」の割合を調べました。

とうぜん能力不足で引退した馬も多分に含まれるはずで、かなりノイズの大きいデータであるとは思いますが、なんらかの参考にはなると思います。結果は以下です。

3レース以下で引退した馬の割合

母父クロフネ : 11.41%
全体 : 18.07%

4レース以下で引退した馬の割合

母父クロフネ : 16.78%
全体 : 23.41%

このデータだけを見ると「母父クロフネの馬は故障リスクが高いとは言えない」と言えるとともに、「母父クロフネの馬は全体とくらべて能力がやや高い」可能性があるとも言える気がします。

検証に使ったデータがそもそも曖昧な部分を含むため判然としませんが、個人的にはこれを見ると、母父がクロフネであることが、健康面においてヒカルアモーレの16の魅力を損なうものではないと結論しました。

故障リスクもふまえて出資するか否か

10頭に出資したら1頭は故障して未勝利のまま引退してしまう…というケースは、そこまで珍しいものではないのかなとも感じます。

しかしここらへんの感覚は、一口一年生である僕にとってはまだ業界に馴染んでいないぶん、直感的な判断ができないという点で自分自身を信用できないと結論付けました。

母父クロフネという点が故障リスクの増大に関係しない(と思われる)としたことと矛盾するようですが、上記のような曖昧な検証に身をゆだねるほど他の面で魅力があるかと問われると疑問符が付きます。

よって、僕はヒカルアモーレの16には出資しません。

「厩舎が良い」「繁殖が良い」「実績のある繁殖牝馬の場合は、ある程度は走る産駒が出る」などの良い点もあるものの、「重賞勝ち馬が出ていない」「故障リスクが高い可能性が捨てきれない」という悪い点も目立つからです。

これはもちろんこの馬を否定するものではなく、あくまで個人的な分析の結果です。ヒカルアモーレの16とその出資者の方々に良い未来が待っていることを祈っています。

この記事の最終更新日は 2017年09月05日 です。

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