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種牡馬分析データの一覧
- AEI : 他種牡馬との賞金の比、1 が平均値
- CPI : 繁殖牝馬の質、1 が平均値
- A/C : AEI ÷ CPI、高いほど良い
- 勝上率(%) : 1勝以上した馬の割合
- 1頭賞金(万円) : 1頭あたりの獲得賞金
- 牝/牡(%) : 牡に対する牝の1頭賞金の割合
※ テーブル右端が切れている場合スワイプで表示できます。
種牡馬名 | AEI | CPI | A/C | 勝上率 | 1頭賞金 | 牝/牡 |
---|---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 3.25 | 1.73 | 1.88 | 62.4 | 4013 | 61.4 |
ロードカナロア | 2.06 | 1.13 | 1.82 | 43.8 | 1764 | 77.7 |
キングカメハメハ | 2.17 | 1.43 | 1.53 | 47.0 | 2849 | 39.2 |
ヨハネスブルグ | 1.23 | 0.87 | 1.42 | 46.4 | 1391 | 46.3 |
ハーツクライ | 1.88 | 1.49 | 1.26 | 45.1 | 2322 | 49.7 |
スクリーンヒーロー | 1.21 | 0.99 | 1.22 | 30.6 | 1369 | 18.8 |
キンシャサノキセキ | 1.20 | 1.02 | 1.18 | 39.1 | 1270 | 66.4 |
ヘニーヒューズ | 1.17 | 1.01 | 1.16 | 43.2 | 983 | 60.1 |
ブラックタイド | 1.07 | 0.94 | 1.14 | 29.9 | 1248 | 41.1 |
ダイワメジャー | 1.68 | 1.49 | 1.12 | 45.7 | 2024 | 70.4 |
ルーラーシップ | 1.49 | 1.40 | 1.07 | 41.8 | 1592 | 49.3 |
ハービンジャー | 1.43 | 1.36 | 1.05 | 34.1 | 1506 | 60.9 |
クロフネ | 1.14 | 1.09 | 1.04 | 41.4 | 1720 | 75.4 |
ネオユニヴァース | 1.11 | 1.27 | 0.87 | 34.9 | 1511 | 27.2 |
ゼンノロブロイ | 1.08 | 1.47 | 0.73 | 38.0 | 1500 | 55.5 |
ヴィクトワールピサ | 0.97 | 1.34 | 0.73 | 33.2 | 953 | 88.2 |
オルフェーヴル | 1.16 | 1.64 | 0.71 | 33.6 | 1013 | 91.0 |
※ テーブル右端が切れている場合スワイプで表示できます。
※ 中央(芝・ダート)のみ、2020年1月1日現在の情報。
※ 背景が薄いグレーの種牡馬はデータ不足のため、数値の信憑性が低いです。
各指標の詳細説明
上記の比較につかっている指標は、競馬業界では一般的なものではありますが、各所で公表されている数値とはすこし差があると思います。それは、当サイトで独自に算出しているためです。
なるべく実態にあった数値をだすためにひと工夫した結果、若干アレンジすることになりました。以下、それぞれ詳細を説明します。
※ ロードカナロア・ルーラーシップ・オルフェーヴル・ヘニーヒューズのデータは、AEI・CPI・A/C については 2歳を含む数値、それ以外の指標については 2歳を除いた数値です。
AEI (アーニングインデックス)
アーニングインデックス(Average Earnings Index)とは、種牡馬の成績を賞金額の比であらわした指標です。EI とも略されます。平均値は 1 で、高いほど良いです。
全出走馬の賞金額合計を出走頭数で割った数字を分母にして、特定の種牡馬の産駒の賞金額合計をその産駒の出走頭数で割った数字を分子にします。
産駒の賞金合計 / 産駒の出走頭数 ÷ 全出走馬の賞金合計 / 総出走頭数
Wikipedia の説明では収得賞金と書いていますが、当サイトでは本賞金で計算しています。実際に稼いだ金額のほうが、クラブ馬の回収率とあわせて見やすいためです。
最高で直近 10世代の産駒で計算しています。
CPI (コンパラブルインデックス)
コンパラブルインデックス(Comparable Index)とは、特定の種牡馬が配合された繁殖牝馬の質をあらわした指標です。CI とも略されます。
特定の種牡馬を抜かした、繁殖牝馬の AEI と考えればよいと思います。
たとえばディープインパクトの CPI は、ディープと配合された繁殖牝馬たちが、過去に他の種牡馬とのあいだにつくった仔たちの賞金を、全出走馬の賞金とくらべたものです。
CPI が高いほど、良い繁殖牝馬と配合されているということです。AEI と同じく収得賞金ではなく本賞金ベース、最高で直近 10世代で計算しています。
A/C (AEI ÷ CPI)
AEI は繁殖牝馬の質を考慮しませんが、CPI とあわせて見ることで、ある種牡馬がほかの種牡馬とくらべて優秀かどうかを、実体に近いかたちで知ることができます。
そのための指標が AEI ÷ CPI で、上記表では略して A/C としています。
AEI が高いが、それ以上に繁殖牝馬の質が良い場合は 1 を切ってしまいますし、繁殖牝馬の質も良いが、それ以上に自身の産駒の成績が良いという場合は 1 を超えます。
前者の例はオルフェーヴル、後者の例はディープインパクトです。つまり、高いほど良いです。
※ ただし、オルフェ産駒はまだ 2世代しかいないため、数値の信憑性はとても低いです。ロードカナロアやルーラーシップ、ヘニーヒューズについても同じ理由から、上記表の数値は信用しないでください。
牝/牡
1頭あたりの獲得賞金(本賞金ベース)について、牡馬に対する牝馬の割合をあらわした指標です。
牝馬 1頭あたりの獲得賞金 ÷ 牡馬 1頭あたりの獲得賞金
この数値が高いほど牝馬が活躍しやすいということで、いわゆるフィリーサイアーは高い数値を示します。
AEIとCPI算出方法について
AEI と CPI について、一口馬主DB では直近 10世代で算出していますが、当サイトでは種牡馬の産駒の世代にあわせて算出期間を定めています。
たとえばディープ産駒のいちばん上の世代は 2008年産なので、ディープの場合、2008〜2016年産の 9世代の数字を分母にも分子にもつかっています。
その理由は、なるべく 3歳以下の馬と古馬の、指標への影響度の違いを少なくするためです。
競馬においては常識ですが、現役生活の長い古馬のほうが獲得賞金額は大きくなりますし、番組編成的にもそれは顕著になると思います。
世代数が増えれば増えるほど、2〜3歳世代の数値への影響度が小さくなり、古馬の影響度が大きくなります。つまり、世代数が多ければ影響度の差は小さくなりますが、世代数が少ないと大きくなります。
具体的に言うと、算出期間にしめる古馬世代の割合が高いほうが、AEI の値は大きくなりやすいですし、CPI の値は小さくなりやすいです。
ということは、それだけ若い種牡馬とベテランの種牡馬の AEI / CPI に差が出てしまうということになります。
たとえば、まだ 5世代しか産駒がいない種牡馬の AEI 算出について、分子の産駒の賞金を 5世代分で計算して、分母の全出走馬の平均を 10世代分で計算した場合、分子だけ 2〜3歳世代の成績の影響度が大きくなります。
すると当然、分子も分母も 10世代分で計算した種牡馬にくらべて不利な数値となり、その種牡馬の過小評価につながる恐れがあります。そのような歪みをなくすために、上記のように算出しています。
もともと世代の差を気にせずに見られる指標なので、そこまでデリケートになる必要はないかもしれませんが、なるべく差異をなくすためのそのようにしています。
各種牡馬のデータについての補足
種牡馬名をクリックすることでその馬のデータ詳細が確認できますが、いくつか注意点があります。
まず母父の系統との相性に関して、独自の系統分類で載せていますが、大系統のデータには小系統のデータは含まれません。
たとえば、サンデーサイレンス系はロイヤルチャージャー系に含まれますが、ロイヤルチャージャー系の数値があった場合、それはサンデーサイレンス系とロベルト系を除外した数値です。
同じように、ノーザンダンサー(ND)系はヌレイエフ系・ストームキャット系・ダンチヒ系にわかれていますが、ND系の数値には各小系統の数値は含まれません。
それぞれ独立しています。
ND系の上にはさらにニアークティック系がありますが、ニアークティック系の数値に ND系の数値が含まれないことも同様です。ロイヤルチャージャーと ND(≒ニアークティック)の 2大系統についてはご注意ください。
ただし、ディープ・キンカメ・カナロア・ルーラーシップ・オルフェの記事については、現状はニアークティック系に ND系の数値が含まれています。その点は申し訳ありません(のちのち改善する予定)。
もう一点、種牡馬と母父のどちらにも関連することですが、ツールの仕様上、馬名が日本語と英語の 2パターンある場合があります。
これは内国産馬は父名が日本語で表記され、外国産馬は父名が英語で表記されることに起因します。
母父名が上記 2つにわかれるケースでは、データも 2つにわかれます。それによって、たとえば母父ジェネラスと母父Generous は別のデータとして出て合算されませんので、その点もご注意ください。
データを信用して良いのか
データは事実をあらわしていますが、その裏には意外と多くの要素が隠れています。
たとえばオルフェの CPI はディープのそれよりも高いですが、オルフェの配合相手のほうが繁殖牝馬の質が高いと短絡的に決めることはできません。
「ディープの相手は輸入繁殖牝馬が多く、CPI にその質が反映されていない」「オルフェの相手は高齢牝馬ばかりで、それが数値に影響しているかもしれない」などの可能性があるからです。
可能性をあげればキリがなく、それにとらわれるのもナンセンスですが、データを見るときに、その背景に何があるかも同時に考えることは大事だと思います。
とはいえ、現在国内最強の種牡馬はディープインパクトであることはゆるぎない事実ですし、オルフェーヴル産駒は世間が考えている以上に三振が多いようです。それについては、各種牡馬の記事で詳述します。
データの仕入れ先
各指標の算出につかう元データは、20年分以上の JRA公式データを好きなように分析できる「TARGET frontier JV」通称ターゲットで得ています。
レース予想にもつかえますので、種牡馬を自分で分析したい、馬券をやりたいなどの場合にオススメです。
余談ですが、本稿の途中で突如紹介した「一口馬主DB」では、上記のような比較表のほか膨大なデータを入手できますので、一口馬主をやっている方はぜひプレミアム会員に登録することをオススメします。
出資馬を登録して回収率や各記録をだしたり、各種ツールをつかって募集馬を検討したりできます。
ただ、AEI と CPI の算出については、分子と分母にそれぞれ違う数字をつかっているフシがあり、正確でない可能性があります。自分の勘違いだと良いのですが、その点については気をつけてください。
TARGETでのAEI等の調べ方
ターゲット(TARGET)をもちいて、どのように上記表のデータを取得しているかを説明します。謎の用語が出ますので、興味のある方だけどうぞ。画像は省略しますのでご容赦ください。
AEI と CPI の算出に必要なデータは、「世代の 1頭あたり賞金」「父産駒の 1頭あたり賞金」「母産駒の 1頭あたり賞金」の3つです。全て「馬データ検索」でしらべます。
まず「世代の 1頭あたり賞金」。最初に調べたい世代の年齢を入力します。上記のディープの例でいえば、2008〜2016年産を調べるので「2〜10」と入れます。「未出走馬を含める」のチェックをはずして検索(読込実行)。
結果が出たら、上部のプルダウン「総合(中央+地方+海外)」を「中央(芝+ダート)」に変更。もし地方や海外も含めたデータが欲しければ、ここはそのままでも良いです。
次に上の「基本」「血統」…などと並んでいるタブのなかから「成績」を選択。その下のタブのなかから「着度数」を 2度クリックして昇順にソート。
「0-0-0-0」と「0-0-0-1」の境目までスクロールして、右クリックから「この行以上を削除する」を選択。未出走のデータを削除します。
「着度数」の左隣の「本賞金」タブをクリックして降順にソート。上部の「出力」ボタンを押して、適当なファイル名を指定してエクセルに保存。関数をつかって本賞金の平均を出します。
※ 本賞金順にソートする意味はないですが、個人的にスッキリします。
次に「母産駒の 1頭あたり賞金」。先ほどの画面の左上「馬データ読込」をクリック。ほかの条件はそのままで、父名に調べたい種牡馬名、たとえば「ディープインパクト」と入れて検索。
先ほどの設定が残っているので、今度はそのまま「着度数」でソートしてから不要データを削除。左上の「メインメニュー」「ファイル」…と並んでいる最上部メニューから「検索」をクリック。
「全馬の兄弟馬の一覧(年齢別)検索(B)」をクリック。結果が出たら、同じく「検索」から「母以外の全馬を馬データ検索で一覧」を選択。
最初と同じように「中央(芝+ダート)」に変更、「成績」タブをクリックします。その後、最上部メニューの「編集」をクリックして、「重複馬データの削除」を実行。
次に「中央(芝+ダート)」の右側にある「検索」を押して、父名に「ディープインパクト」と入れて検索実行。「編集」右の「マーク」から「マーク馬の削除」を選び実行。
「齢」タブをクリックして降順にソート。今回は10歳までのデータが欲しいので、11歳以上のデータを「この行以上を削除する」で削除。「着度数」でソートして未出走データを削除。
あとは先ほどと同じように、エクセルに吐き出すなどして関数をつかって 1頭の平均を出します。
最後に「父産駒の 1頭あたり賞金」。先ほどの繁殖牝馬の件で開いた 2つめの馬データ検索をバツ閉じ、同じく兄弟馬検索をバツ閉じして、最初に開いた 1つめの馬データ検索画面を出します。
ほかの 2つと同じように、出力して平均を計算して終了です。
「母産駒の 1頭あたり賞金」を「世代の 1頭あたり賞金」で割ると CPI が出ますし、「父産駒」を「世代」で割れば AEI が出ます。
ここまでスムーズにできれば、同じ要領で勝ち上がり率も出せると思いますので、その方法は割愛します。
ひとことで説明するなら、馬データ検索で未出走データを削除したあと、着度数「1-X-X-X」と「0-X-X-X」の境目を見つけて、未勝利馬を削除すれば勝ち上がった馬だけが残ります。
削除しなくても、カーソルで行を選択すると何行目(何データ目)か左下に表示されるので、同じく左下に表示されている合計データ数で割れば OK です。
以上で、このページで提示している指標の算出手順の説明を終わります。もしターゲットをつかっているなら、ぜひ試してみてください。
僕のやり方がまわりくどかったり、ミスしていたりする可能性もあるので、もしその場合はメールやツイッターなどで指摘して頂けると助かります。よろしくお願いします。
この記事の作成日は 2018年09月16日、最終更新日は 2018年10月09日 です。